今回は産婦人科とは直接関係ありませんが、産後のことで是非覚えておいてもらいたいことを書きたいと思います。
まずは、こちらのニュースから。
アメリカでは小児の誤嚥による窒息死が1968年から2017年にかけて、75%減少していることがわかりました。
その原因の一つとして、1979年に制定された乳幼児向けの製品に関する法律の影響が大きいとされています。
この法律によって、乳幼児向けの製品に3歳未満の小児の気道の太さより小さいものを使うことを禁じられるようになりました。
3歳未満では周囲のものに興味を持ち、口の中に入れて確認することも多いため、ビー玉や小さなゴムボール、そしてゴム風船も窒息死のリスクが高いと言われています。硬貨や鍵もリスクが高く、ブドウやガム、飴にも窒息の危険があるとされています。
では、日本ではどうなっているでしょうか。
これが日本での小児の事故死数の推移です。
アメリカ同様に、日本での事故死の数もかなり減ってきているのがわかります。
それでも、毎年200人近い子どもが不慮の事故で亡くなっており、中でも窒息や溺水など、周囲の注意を要する原因が多いのも特徴です。
溺水に関しては、何も外でおぼれる訳ではなくて、家の中で少し目を離したすきにお風呂でおぼれてしまうことが非常に多くなっています。
イメージとして、人が溺れる時には「助けて―」と騒いでいる様子を想像する方も多いと思いますが、特に子供の場合は、溺れたときに何が起こっているのか理解できず、何も物音を立てずに溺れてしまうのが特徴です。
一緒にお風呂に入るときも、目を離すのは危険。親が自分の頭を洗う間に、少し目を離したら子供が溺れていた、という話もあります。
また、湯船にお湯をためておいたら、気が付いたときには勝手に子どもが風呂場に行って遊んでしまい、溺れてしまった、ということも。
災害時の対応として浴槽にお湯をためておく、という方法もありますが、小さいお子さんがいる場合には、止めておきましょう。ペットボトルで備蓄できる水は沢山あります。
そして窒息。
本当に「こんなものを?」というものでも子供は口にします。
手の届く範囲内には小さいものを置かない事。
色んなものによじ登って、高いところにあるものすら口にするかもしれませんから、子供が生まれる前に、窒息するような小さいものは出来るだけ処分してしまうことが大切です。
そして、万が一窒息した場合の対処方法もしっかり覚えておいてください。とても大切な対応方法です。