生理痛が酷くて、普段の生活に影響が出ていると言う方は非常に多く、中には「生理は痛いもの」と割り切って、ただただ耐えている人もいます。

生理痛の原因としては子宮内膜症が有名で、聞いたことがある方も多いと思います。

子宮の内側にある内膜という組織が子宮そのものの中に入り込む「子宮腺筋症」や、卵巣に飛んでしまう「チョコレート嚢腫」など、名前は様々ですが、酷い生理痛の原因にもなるものです。

こういった子宮内膜症は放置しておくと年齢と共に悪化していき、生理以外でも痛くなる原因となったり、不妊の原因になることも。

そのため、婦人科での診察は必須になってきます。

その上で、治療をどうするかという話になるのですが、ピルや漢方薬、鎮痛薬で痛みを抑える以外に、サプリでも症状が改善する、という論文があったので、ご紹介したいと思います。


この論文では、1000mgのシナモンが入っているカプセルを飲むグループと、1000mgのデンプンが入っているカプセルを飲むグループに分けて、生理痛が改善するかどうかを比較しています。

どちらのグループも、自分がシナモンを飲んでいるのかデンプンを飲んでいるのかわからない状態での比較です。

生理が始まって最初の3日間だけカプセルを飲んでもらい、2回の生理に対して評価しました。

その結果、シナモンのカプセルを飲んだグループの方が生理痛が軽くなったという結果となったのです。


また、別の論文でも生理痛に対するシナモンの効果を検討しています。



こちらの論文では、生理痛に悩むイラン人女性76名を対象に、420mgのシナモンが入っているカプセルを飲むグループと、デンプンが入っているカプセルを飲むグループ、それぞれ38名ずつに分かれて検証しています。

この論文でも、カプセルを飲んでいる人たちは自分が飲んでいるカプセルがシナモンなのかデンプンなのかは分からない状況であり、生理初日から72時間の評価をしています。

その結果、痛みの強さはシナモンのグループで明らかに改善していました。

具体的には、痛みの強さを10段階で評価して、0が無痛、10が最も考えうる強い痛み、として数値で評価したところ、シナモンv.s.デンプンでは、24時間後に 4.1 v.s. 6.1、48時間後に3.2 v.s. 6.1、72時間後に 1.8 v.s. 4.0 という結果でした。

また、生理初日から3日間の吐き気の強さや嘔吐の回数もシナモンのグループの方が少なかったのです。これは、生理痛が軽くなったことによる効果だと思われます。


また、シナモンのグループでは、生理の出血量が減るという結果が出ました。

生理痛に対する評価を調べていたのに、出血量が減るというのは驚きの結果ですが、痛みだけでは無く、貧血っぽいという方もシナモンを試す価値があると言えそうです。

最後に、普段よく使っている痛み止めとシナモンとを比較した論文をご紹介したいと思います。


こちらの論文もイラン人女性を対象に検証しているのですが、対象となった114名をデンプンのカプセルを飲む38名、400mgのイブプロフェン(よく使う鎮痛剤)のカプセルを飲む38名、420mgのシナモンのカプセルを飲む38名に分けて検討しました。

痛みの強さは、上の論文と同じで10段階評価とし、生理最初の3日間を評価しています。

その結果、痛みの平均値や持続時間はデンプンのグループに比べて、イブプロフェンとシナモンのグループで少なくなりました。

細かく見ていくと、内服して4時間後では、シナモンもデンプンも違いはありませんでしたが、8時間後にはシナモンの方が明らかに痛みが楽になっていました。

ただ、イブプロフェンを飲んだグループでは、どのタイミングであっても、デンプンやシナモンより痛みが楽になっていました。


以上のことから、一般的によく使う痛み止めほどの効果は期待できないものの、痛み止めでは胃が痛くなるなどの理由があって、他の薬を探している方にとっては、シナモンのサプリは効果的と言えそうです。


最初の方でも説明しましたが、生理痛がひどい時には何か原因があるかも知れず、まずはそちらの診察が必要にはなりますが、治療の段階という点で考えると、シナモンのようなサプリを試してみるのも一つの手と言えるので、何も飲まずに頑張っている方は試してみてもいいのではないでしょうか。