生理前になると、感情的になったり、気分が沈んだり、さまざまな精神症状が出ることがあります。
また、便秘がちになったり、逆に下痢になったり、頭痛が起きやすくなったり。そう言った身体症状が出ることもあります。
これらをまとめて
月経前症候群
PMS
と言います。
生理前になると調子が悪くなり、生理が始まると何となく改善していくのが特徴で、生理のある年代の女性の半数近くが経験すると言われています。
原因として、さまざまな説があるのですが、1つの説として、排卵後に出てくる黄体ホルモンの影響があります。
そのため、排卵を抑えるピルを飲むことで症状が軽くなる事が多く、婦人科ではよくピルを処方しています。
また、漢方によって症状が軽くなることも多いので、そちらを使うこともあります。
その他に、ディナゲストという薬もあります。
これもピルと同様に生理痛に対して使う薬なのですが、排卵を抑える効果もあり、PMSが改善した、という論文もあります。
(ピルは自費で処方できますが、ディナゲストは「子宮内膜症」と「子宮腺筋症による疼痛」に対して保険適応されている薬です。自費で買うことになれば、月に1万円近くします、、、)
市販薬で言えば、プレフェミンというハーブを使ったお薬が効く人もいますし、カルシウムやビタミンDといったサプリが効いたという論文もあります。
今回は、その中でもカルシウムやビタミンDがPMSに効くという論文を紹介したいと思います。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6422848/
こちらの論文では、PMSの治療に関する28の論文で、8576人の女性に関して調べています。
それらの論文のいくつかを見てみると、
・1週間に50000IUという量のビタミンDを摂取すると、PMSや生理痛が改善した
・500mgのカルシウムと200mgのビタミンDを摂取すると、PMSの症状が軽くなった
・カルシウムやビタミンDが豊富に含まれる食事を摂る事でPMSの症状が軽くなる
・1000mgのカルシウムと400IUのビタミンEを摂取することでPMSの症状が軽くなる
・カルシウムとビタミンB1のサプリでPMSの症状が改善する
・500mgのカルシウム摂取でPMSの症状が改善する
と言ったように、様々なサプリによってPMSの症状が改善する可能性が示されています。
中でも、カルシウムやビタミンDによる改善の報告が多く、PMSの症状で悩まれている方は、一度試されてはどうでしょうか。