建築家長沼幸充ブログ -186ページ目

確認申請の訂正で

今日は、住宅の建築確認申請の訂正。

法改正によって建築確認申請が厳しくなり、本受け付けの前に

「受理審査」という事前審査を受ける必要があります。


今後、確認申請の本受け付けをした後では訂正が出来ないので、

その前に最低限のことは指摘して、本受け付け前に訂正する機会を設けるためです。



法改正によって大きく変わった点は、構造計算関係。

これまで大臣認定プログラムを使用して構造計算をしていれば、

まず問題なかったのですが、ピアチェックという二重チェック体制になり、

検査機関と第三者機関の2ヶ所で確認を行います。


そのため、時間と費用がだいぶかかるようになりました。


ちなみに一般的な木造住宅(2階建て程度)ならば、これまでの確認申請と

ほぼ変わらない審査なので、あまり影響は受けないようです。


構造に関する二重チェックは、設計者がこれまで以上に厳しく設計を進めるだけでなく、

検査機関にとっても責任重大です。

市町村の建築指導課などでは、チェックしきれないために、民間への申請を

暗に進めるところもあるようです。


今回の物件の指摘は、大きなものがなく安心しました。

一級建築士の証書を何枚も添付するのには、驚きました(笑)。



予算調整をする

工事費の調整を行っている住宅が、なんとかまとまりそうです。


設計初期段階では、クライアントの希望をすべて入れています。

そのため予算オーバーすることは明らかなのですが、

最初から無しのままで設計を進めていると、

「もしかしたら入れられたかも?」

と後で思ってしまうこともあるかもしれません。


予算調整の段階で、ほしいものいくつかを諦めなければならない時には

クライアントはもちろん、私も残念な気持ちになります。


「後で諦めるならば最初から入れなければいい」

という人もいますが、住宅ってクライアントの希望の結晶ですから、

最初からその希望を否定するようなことはしないという姿勢で取り組んでいます。


調整項目を図面に反映させ、いよいよ着工です。



家歴書というメンテナンスノート

今日の日本経済新聞ネット版に、「200年住宅」についての解説がありました。

これは自民党が提案している長寿命住宅の提言をまとめたものです。

http://sumai.nikkei.co.jp/mansion/twatch/



日本は経済的には先進国として世界のトップクラスの生活を実現していますが、

住環境に関しては、貧しいといわれています。


長期住宅ローンや、ローンを払い終わった頃には住宅の寿命がくる、

地価と一般年収の関係から狭い住宅しか購入できない、などです。


これらの問題に共通してあるのが、年数が経つほど住宅の資産価値がなくなるということ。


もし価値が上昇するまでいかなくとも、維持することができれば、

住宅購入は資産形成の1つとして、有効なものとなります。


そうすれば手狭になってきたら現在の住宅を売却し、新しい住宅を購入することが出来ます。


またそのようにして中古住宅市場が活性化してくれば、あまり購買力のない若い世代にも

住宅購入の機会が増え、ますます中古住宅の需要や、

そこに求められる価値も高まると思われます。



しかし現在日本では中古住宅が価値を維持することは希です。

住宅ローンと、価値の減少による、二重の負債を抱えることになっています。


これらの問題を解決するべく、「200年住宅」というビジョンが提案されているようです。



12ある提案のうち、特に有効だと思われるのが「家歴書」と言われるメンテナンスノートです。


価値というのは、買いたい人と売りたい人がちょうど納得できる地点にあります。

つまりいくらカタログ上では~円と出ていても、買いたい人にとって価値がなければ、

値段は付かないのです。


「家歴書」は車のメンテナンスノートのようなものです。

新築時の設計図やこれまでの修繕記録、定期点検など、住宅についての記録が書かれます。


このような客観的な住宅の新築時から現在までの履歴を記録することで、

これまでに住宅にかけられた手間などを確認することができます。



これまで中古住宅といえば、実際に見に行って自分の目で確かめても、

「床の下はどうなっているのだろうか」

「雨漏りなどしていないだろうか」

など、目に見えない不安があり、購入動機の妨げになっていたと思います。


自動車やバイクなどには整備記録があり、中古を買う際には、これまでの履歴を確認するはずです。

このようなメンテナンスノートを住宅にも整備することで、価値を維持する仕組みは有効ではないでしょうか。