ハウジング・フィジックス・デザイン・スタディーズ | 建築家長沼幸充ブログ

ハウジング・フィジックス・デザイン・スタディーズ

最近「ハウジング・フィジックス・デザイン・スタディーズ」
という住宅の環境に関する本を読みました。


ハウジング・フィジックス・デザイン・スタディーズ/ハウジング・フィジックス・デザイン研究会

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住宅において、断熱や省エネなど環境に関する問題が大きなテーマになっています。
しかしこのテーマについて書かれている本は、ほとんどが環境工学の専門家や、
環境について力を入れている設計者などが書いたものです。

私も含めて、デザイン(意匠)を中心として活動をしている設計者からは
まだ環境について大きな声を聞くことは少ないように思います。


この本は、活躍著しい若手建築家が、環境工学の専門家とディスカッションをしながら、
デザインと環境を一緒に考えていこうというもの。
まさに自分の最近のテーマでもあるので、興味深く読みました。


細かい内容は省略しますが、気になった点は、
1.デザイン重視と言われている建築家も環境問題は考えている
2.しかし環境問題からデザインを説明することは少ない
ということ。


これは本著の監修をされている小泉雅生氏の論考にも書かれていましたが、

「環境を考えると自由なデザインが制約される」
「環境的に正しい計画は、デザインが悪くても批判しにくい」
「建築家はデザインで勝負している」

と建築家は思っていて、積極的に取り組んでいないと言います。


確かに設計者のスタンスとして、デザイン重視 or 環境などスペック重視と、
はっきりと分かれてしまっているのが現状かもしれません。


一方、小泉氏はハイブリッド自動車を例に挙げ、環境とデザインの関係を述べています。
レオナルド・ディカプリオがプリウスに乗ってアカデミー賞授賞式の会場に
現れたことで、ハイブリッド自動車の認知と評価が高まったと。
今アメリカでは、ハイブリッド自動車など環境に配慮することは、
「知的でおしゃれ」という評価がされているというのです。


これはまったく同感で、積極的にハイブリッド自動車を選ぶ人が増えており、
それは環境へ配慮しているという自負と、他人から評価されるという2つの側面が
あるためではないでしょうか。

同じようなことが、建築にも起こるべきだと思います。
環境に配慮した住宅を建てた人は、「知的でおしゃれ」となるように、
建築家は環境へ配慮したスペックを守りながら、デザイン的に面白いものを
提供しなければならないと強く思います。

「スペックとデザインの両立」、これが今後の自分のテーマになりそうです。