昨年のクリスマスに入手した我が愛しのサトルノ。
今日初の車検にチャレンジしてきました。
 
絶版車であるジレラサトゥルノを、今後ユーザー車検で取得しようとする人のお役に立てばと思い、ブログをアップすることにします。
 
まずは懸案事項その1 排気音の音量測定。
検査官から「製造は何年式ですか?」の質問があり、
「1988年製造です」と、ボク。
すると「証明できるものはありますか?」
「ここに46/88とあります。これが1988年、第46週の製造の意味です」と、ボク。
「確認しました。ならば音量測定はなしです。」と検査官。
ホッと胸をなでおろしました。

 

ちょうどロワーブリッジ(下側三又)の左側、この写真の中央部に「46/88」とあります。

 

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拡大するとこんな感じです。(逆向きですが、46/88とあります)
 

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次のブレーキテストは前後とも難なくクリア。

 

次いで懸案事項その2、ヘッドライト検査。

これはものの見事に「不合格」。

でも、これは想定内。

状態は

 ①光量不足 合格ラインの15,000cd(カンデラ)に対し、アイドリング状態で11,100cd

 ②光軸不良 大きく左下にずれ

と、判りました。

 

この結果をもって、隣接するテスター屋さんに直行。

これを踏まえて調整してもらう。

が、光軸と言うより、光が集束せず散乱状態であることが判明。

 

ヘッドライトバルブが正しく装填されていない可能性を指摘され、その場でヘッドライトを外しバルブをチェックする。

すると、ノーマルの白熱球から交換したマツシマ製のハロゲンバルブの組み立て精度が悪く、金属ホルダ部と電球のガラス部がいくらか斜めにずれている。

これは割らないように注意しつつも、力技で修正。

また、ソケットへの装填が固く、回転方向の位置があまいことが判り、きっちり合わせて装着しなおし、再度テスターにかけてもらう。

 

すると格段に光量が増したが、散乱は収まらず・・

それでも、テスター屋さんの裏技で、ヘッドライトを手で少しずついろいろな個所を隠していく。

2~3か所に散乱していた散乱光のうち、1か所の位置を確かめ、その部分に自動車ボディ用の練りタイプのワックスを塗布。

これにより、光量は落ちるものの集束が2か所になり、検査合格範囲に収まりそう。

エンジン回転を3000rpm程度に上げると、光量も合格ラインに達する。

 

で、2回目の車検にトライ。

結果、また「不合格」

状態を見せてもらうと

 ①光量OK!

 ②光軸ずれ → 左方向に3㎝以内のズレ。チャート上ではわずか1.5cm程度。

おしいっ!

 

検査官さんが、少し車体を右側に倒せばいいんじゃないかなと、ありがたい独り言。

この時点で午前中の検査終了まであと10分程度。

検査官さんの言葉を信じ、そのまま場内を一周し、再トライ。3回目。

 

で、結果はあえなく「不合格」。残念、無念。

3度目の正直ではなく、2度あることは3度あるでした・・

 

ここで大切なことが判った。

サトルノはロケットカウル装着のため、ヘッドライトはハンドルではなく車体にとりついている。

それ故、ハンドルで右や左にこじっての光軸微調整は効かない。

なので、テスター屋さんでも、車検場のテスターでも、いかに車体をまっすぐ停車させるか。

これがポイント!

 

このころには雨も本降りで、心も萎えるが、気は焦る。

1300円の検査料金でのトライは3回までのため、再度収入印紙1300円を購入し、さらに再検査用紙を発行してもらう必要があり、午前中の窓口が閉まる前にと益々気が焦る。

焦りまくる。

そのせいか、スタンドを出さずにバイクから降りようとしてしまい、何と立ちごけ(泣!

あわてて変な姿勢で無理やりバイクを起こして、腰を痛めてしまう。イタタタタ・・・

 

でも、バイクが心配で

 1.タンクはつぶれていないか?  

 2.マフラーはへこんでいないか??

 3.カウルやシールドは割れていないか???

 

何と奇跡的にほぼ無傷。 うれしい。

クラッチレバーの先端とハンドル端のウエイト、それにフロントウインカーに少しキズが付いただけ。

少し安心し、今日二度目のホッと胸をなでおろことになった。

 

しかしながら倒してしまったこともあり、光軸がまたずれた可能性もある。

検査場もテスター屋さんも昼休みなのでここは家に戻って、ヘッドライトを固定している左右のステーの丸穴を長穴に加工しようと決める。

でも雨がひどいな・・

 

あっ、そうだ。

 

すぐ近所に自転車競技やトライアスロンでお世話になった先輩宅の金属加工工場があることを思い出し、急ではあるが向かうことに。

 

すると偶然先輩のSさんが工場から顔をだしてくれた!

まさしく神様のおぼしめしとばかりに、工具と場所をお借りする。

 

倒れた時のせいでガソリンがオーバーフロー状態で、燃料ポタポタが止まらない・・・

なのでタンクを降ろし、キャブを外す。

 

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フロートとニードルの調整をし、本来の目的であるヘッドライトステーの長穴化。

丸やすりで左右のステーをゴシゴシ2㎜程度削る。

 

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ごしごし、ゴシゴシ。

 

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こんな感じで長穴化終了。

 

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時間がないので速攻、元に組み直す。

 

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当然光軸なんてあてにならない状態なので、またテスター屋さんに行き、再調整。
長穴化のかいあって、調整範囲が広がるが、相変わらずの散乱光。
いろいろやってもらうが、なかなか合わず、再びWAX作戦に出る。
なんとかなりそうなので検査場に向かう。
そして4度の目の正直を信じ、神様に祈りを捧げつつ、ライト検査の電光表示板をじっと見つめる。
今までいやというほど見てきた「赤い×」。
しかしなんと、今回は「緑の〇」。
やったぁ! 合格だっ!
 
ここで今日3度目にして最高の「ホッと胸をなでおろし」ました。
 
と、思った瞬間、LLCがリザーバータンクから吹き返してビックリ!
ここまでほとんど走らずアイドリング状態が長く続いたため、水温計に目をやるとレッドゾーンを振り切っている。
すぐにエンジンを止め、しっかりスタンドを出し、新しい車検証を発行しておらうと共に、新しいステッカーをもらいに行く。
少し冷ましてから帰宅するためエンジンを始動すると、LLCがドバドバ漏れ出し、目の真っ青。いや、まっみどり!
 
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何とリザーバータンクからのチューブがすっぽ抜けてしまいました。

 

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ここは冷静に持ち合わせのニッパーでチューブのふやけて径の大きくなった部分をカットし、インシュロックでしっかり固定することで、事なきを得ました。

 

4回目の合格データは、もらえなかったけど、不合格データはもらえたので持ち帰る。
左から順に1回目から3回目。

 

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サトルノ車検で学んだこと

 1.ヘッドライト光量対策

  1)ノーマルの白熱球(B35・BA20D)を、マツシマ社製ハロゲン(H4BS)に交換。

    → この時バルブをチェックし、ガラス部分を真っ直ぐに修正する。

       取り付ける際はソケットに対ししっかり回転させ、バルブの回転方向を合わせる。

  2)バッテリーからダイレクトに太い配線(Φ2.0m㎡)で引き直す。リレー受け。

 2.ヘッドライト光軸対策

  1)左右調整可能なように、ヘッドライトステーを長穴化する。

 3.カウルのシールドにシリコンチューブをカットしたものを被せる。

 4.ブローバイホース末端にスポンジを被せ、インシュロックで固定する。

 5.シフトパターンを左ステップ付近にしっかり貼る。

 6.サトルノのヘッドライトはカウル固定のため、ハンドルでの小技が効かない。

   → なので、テスター屋さんではバッチリまっすぐ停車させ、その状態で測定してもらう。

    →本検査でも、テスター屋さんと同様まっすぐ車両を停車させ、同じように検査を受ける。

    (光軸上下方向・・・体重のかけ方注意。左右方向は車両をまっすぐ停車。光量はエンジン回転数・・・今回は3000rpm以上をキープする)

  7.いついかなる時でも冷静を守り、決してスタンドを出さずに車両から降りないこと。

 

実はいらないこと

 1.少なくとも1988年式以前であり、それを証明できれば排気音量測定は免除される。

 2.これも年式かもしれないが、リアのリフレクターは不要。(ストップライトに内蔵のもので面積が事足りる)

 

今日は雨でしたが、晴れて合格できたのは、S先輩と数々のアドバイスをしてくれたサトルノ仲間の皆様方のおかげです。

本当に感謝いたします。

どうもありがとうございました!

 

S先輩、日を改めてお礼に伺いますね!

 

最後になぜか丸二年と3日ある新しい車検証と、大きくなったナンバープレート貼り付け用のステッカー!

 

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本当に長くて厳しい1日だったけど、なんとか合格できてよっかった!

それにしても、あぁ、腰が痛い!