#下北澤姉妹社
#リンカク -押し合う輪郭-
#喜田裕也 さんの記事です。
今回の座組はほとんど初めましてのみなさんとご一緒させていただいているのですが、誰もがそれぞれのフィールドで長年培ってきた演劇人としての矜恃を持っていて、自らの理解の範疇を超える解釈も目を輝かせながら貪欲に役をあるいは演出を研ぎ澄ませていく姿勢に胸を打たれています。
だからこそ毎稽古あの瞬間のあの目やあの踊りが忘れられないというような鮮やかな瞬間が生まれていて、もちろんどんな演目もいつかは終わりを迎えるし、瞬間瞬間は常に過ぎ去っていくけれど、演劇だからこそ生まれる、日常や永遠に転じることのない鮮明な瞬間。そんな瞬間がいっぱい詰まったお芝居だと感じています。
そして今回の稽古場では毎日色んな人が見学に来てくれて、稽古が終わってからもみんなで話せる時間があって、
これだけ世代がバラバラな人達が集まって常にコミュニケーションを取り合う機会というのも僕は初めてで、
みなさんがどんなものに感化されてきたのか、何に誇りを持ち、喜び、苦しんできたのか、話は演劇に留まらないけれど僕の知らない東京の小劇場文化の記憶に触れる度、色んなものを吸い込んで耕されてきた豊かな土壌の上で今また自分はその一端を担っているんだなあなんて
たらふく食べながら内心は身が引き締まったりしています。
初日まであと2週間を切り、まだまだ発想を転換していかなくちゃいけないこともたくさんあるけれど稽古場の鮮やかな瞬間を目に焼き付けていきたいです。