私は長い間、父を恨んでいた時期があります。
父は厳しい人で小さい頃から、躾として叩かれたり蹴られたりしてきました。
それはいいのですが、ある日酒に酔った父にされた事、それは虐待でした。
今でも思い出すと、おぞましい記憶。
私はその記憶を何度も何度も頭の中で再生して、父への恨みを膨らませていきました。
30才になった頃、父を許したいと思い、今までの思いを父にぶつけました。
「どうして、あんな事したの?」
「ずっとずっと、辛かったんだよ」
父はプライドが高いので、そんな事してないと顔を真っ赤にして怒るかと思っていましたが
父は泣いていました。
すまなかった。一生掛けて償うからと。
その時父が謝ってくれなかったら、今でも私は父への恨みを消化出来ずにいたかも知れません。
償いなんて、いらない。
「ごめんなさい」
これだけが聞きたかったんだと思いました。
大好きだったから。それだけで良かったんです。
それから月日が経つにつれて、父に感謝の気持ちが出てくるようになりました。
人を許す事、マイナスの気持ちが自分の心や体を蝕んでいく事を体感で学べたからです。
ですが、父とは離れていた時間が長かったので、どこか他人行儀になってしまったまま。
父は亡くなってしまいました。
もっと話せば良かったと思います。
今になって、自分の中に父を感じます。
子供にイライラしてしまうところ
自分勝手なところ
などなど...自分が嫌なところばかり。
でも...突然居なくなってしまった父をここに感じることが出来るから、今はその嫌なところが愛おしいと思うようになりました。
そして、私が最も嫌悪する父が酒に酔った時に見せた残酷さ。
許せるけど理解出来ないと思っていましたが
それも私の中にあるんだ。とふと気が付きました。
それも愛せるようになろう。
これからの私の試みです☺️
読んで下さって、ありがとうございました。