父の不動産は幹太が1人占め?
めくるめく午後の相続劇場 第6話(続編)
『父の不動産は幹太が1人占め?』
本編はこちら
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今回のお話に関しては、不動産の相続分割協議が
まだ行われていない、と仮定します。
誰が、どれだけ、相続するか、の合意がない間は
相続財産を、複数の相続人が
共同相続人となって、共同で管理する、
とされています。
なので、邦雄さんの家屋敷、賃貸マンションは
きょうだい4人で管理するのが大前提です。
が、家・マンションを4人別々に管理するのは非効率です。
幹太のように、1人で管理することは珍しいことではありません。
もし、金太・啓太・康太が心配しているばかりで
幹太と話し合いをしたり、相続分割協議をしなかったとすると・・・
1) 幹太が自分が単独で相続したものと信じて、
2) 実際に不動産を占有、管理、使用、収益を独占し、
3) 固定資産税の税金も払っていたら、
幹太がこれらの不動産を1人で取得する権利がある
と判断される可能性があります。(=取得時効)
上記の1)~3)のような事情がないときは
幹太の不動産の占有は、管理のためのものであり、
取得時効は認められません。
居住地が遠い、兄弟間の仲が疎遠などの理由で
相続分割の手続きを先延ばしにすると、
上記のように、相続する権利が吹っ飛ぶ可能性があります。
相続が開始されたとわかったら、
キチンと相続人が集まって、話し合うことが必要です。
「面倒くさい」「会いたくない」などと避けてはいけませんよ。
研究員 ひさこ