遺言書を失くすと相続財産没収?
めくるめく午後の相続劇場 第5話(続編)
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お父さんの遺言書を紛失したが、遺産を相続したA夫。
A夫は、「相続人の資格を失する」と主張したB太とC美。
さて、裁判所の判断は?
「A夫が遺言書を紛失したことは、
A夫の相続人の資格を失わせるまでの行為ではない」
として、B太とC美の主張を認めませんでした。
法律は「XXをすると相続人の資格がなくなる」と明記してます。
そして、実際の裁判ケースで一番問題になるのが、
今回の「遺言書の偽造、変造、破棄、隠匿」の問題です。
亡くなった人の最後の願いを妨げることは許されません。
しかし、相続人の資格を失うという厳しい制裁も重大なこと。
な・の・で、裁判所もいろいろな条件を付けて判断を下します。
法律に明記してある行為を故意(わざと)に行った
プラス
「相続に関して不当な利益を目的とするもの」
という二重の故意(わざと)が必要としています。
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いま、「遺言書を失くしても、遺産をもらえるんだ」と思った
そこの、あなた。
私は悪知恵を伝えているのではありません。
今回のケースでいえば、
一旦は兄弟で相談して協議が終わっています。
ここまでは「円満」だったのです。
が、A夫の欲の皮が突っ張りすぎて、
B太とC美の反感を買い、最高裁までの「争い」となりました。
親の遺言をふいにして、家族の絆もバラバラに。
財産と引き換えに失うものは、何ですか?
研究員 ひさこ