
監督: 野村芳太郎
原作: 大岡昇平
脚本: 新藤兼人
音楽: 芥川也寸志/松田昌
出演: 松坂慶子/永島敏行/大竹しのぶ/渡瀬恒彦/佐分利信/丹波哲郎/芦田伸介/西村晃/山本圭/北林谷栄/佐野浅夫/乙羽信子/森繁久彌/夏純子/中野誠也/磯部勉/浜田寅彦/丹古母鬼馬二/早川雄二/穂積隆信/山本一郎
単なる刺殺事件と思われた背後に、一人の青年を愛してしまった姉妹の激しい葛藤が渦巻いていたさまを裁判の過程で浮き上がらせていく骨太の人間ドラマ。神奈川県の相模川沿いにある土田町の山林で、若い女性の刺殺死体が発見された。その女性はこの町の出身で、一年程前から厚木の駅前でスナックを営んでいた坂井ハツ子であった。数日後、19歳の造船所工員・上田宏が犯人として逮捕されるのだが……。大竹しのぶと渡瀬恒彦がその年の助演賞を多数獲得した。
完璧な顔触れで失禁した。冒頭での法廷シーンは退屈でこれが続くのかと不安になったが、それぞれの回想シーンであぶり出されていく男と女の構図、若き恒彦と慶子の蜜時に溜め息が漏れる。なんだいあんたこの組み合わせ、画面から溢れる色気に日頃の疲れも吹っ飛ぶ。大竹しのぶが、少女から女に変貌する様もじわじわと感じられて、こいつが一番強かだなと思った。あたしは多分そういった頭の良さが足りない、だから嫌悪と羨望は同じ穴のムジナ、これが正解なんてどの瞬間も思えないのだろうけど突き進むしかないのだ。松坂慶子が勤めていたキャバレーでジュリーの危険な二人が流れて、半裸の女が踊っていた。そんな空間から始まった腐れ縁って素敵!と思ったり、一つ屋根の下に松坂慶子おったらわしも襲ってしまうかもしれんなとか、こんな姉妹いたらわしも二人といい事したいわぃと思った。思考が脱線するも完全に法廷では、恒彦の独壇場。チンピラ風情も板についとるし後半の畳み掛けは、今じゃ敵わないような気もする。