想田和弘監督が精神病に挑んだドキュメンタリー。現代に生きる日本人の精神のありようを探ると同時に、精神科医療を取り巻く課題も浮き彫りにする。ナレーションや説明テロップを排した独特の映像スタイルで、モザイクなしに素顔で出演してくれる患者のみにカメラを向け、被写体を一人の人間として鮮烈に描き出していく。

誰が正常でそうじゃないのか解らないくらいナチュラル、掘り下げたら微妙な心の襞が露顕するのだが、根源、温床は十人十色。ほんの僅かな躓きでも他の人にしたら立ち上がるのにひどく時間を費やすのだから、いかに自分の尺度や世間的な尺度の適温が全てではないのだよと思う。鈍感になる事で回避するのか。正常な人の方が逆に異常なんじゃないかとも思えたり、つまらない当たり障りない人になるくらいなら苦しくても唯一無二の魂でいたいかもと思う。どう生きるかも大事だけども、どう死に向かって行くかも逆算していこう。