こないだ、東北の某都市で講演していて自問自答したことがあったな。(自分で自分の言ったことを反芻する、みたいな?)


 コンサルタントという言葉(呼び名)は昔から好きくないので、あまり自称しないようにしているが、実際のところ、この職業は因果な商売である。


 第一に経験を積めば積むほど(それも苦い経験)、コンサルティングしている相手よりも自分にノウハウが溜まってしまう。

 第二に、相手に依存するだけ依存され、結果、相手がうまく行かなければ、必ずやコンサルタントの責任にされる。


 常々実感することだが、20代の頃、出会ったコンサルタントは皆、悉く「人相が悪く」、こういう仕事にだけはつきたくないと思ったことを今更ながら思い出すのは、実際、何故「人相が悪くなるか」その理由が今、痛いほどよくわかるのだ。

 まず、何件も実績を積めば、間違いなく「人間嫌い」になるだろう。相手の一番嫌な部分を知り、それを分析して、相手の嫌がることを伝えなければければ仕事にならんからな(嫌われることは勿論覚悟の上だ)。

 また、依頼者ははなから依存しきる場合が多いので、彼らにはノウハウはたまらない。「言うことを聞く」だけ。つまり、「依存する者には永遠にノウハウは蓄積されない」のである。(空しいわ)(--;)

 そしてちょっとでもうまく行かなければ、「A級戦犯扱い」というのは明らかに割りに合わない仕事だろう。うちみたいに良心的な相談料しかとらない企業にとってはね。


 第三に、この職業は「いずれ必要がなくなること」が理想である。

このことはいつも「肝に命じて」いる。

そして、そろそろ東北からも「引き時」かなと思いたくなる今日この頃だ。