思っていなかったことで、ある日、突然実現することってあるよね。

例えば白神山地登山。一生、縁がないと思っていた。でも今夏、実現。


 そして昨日、大好きなミシェル・ルグランのライブコンサートを鑑賞。齢80歳のルグラン翁が来日することはもはやあるまい、と思っていた。こういう思い込みは禁物だね。


 東京の知り合いから聞きつけ、ブルーノートに駆け付け、そして心底感動した。年齢を感じさせないパワフルなピアノプレイには勿論、聴衆を惹きこむ選曲の数々、合間合間にたどたどしい英語で伝えられる選曲の魅力的なバックヒストリー、リリカルなセレナード風タッチが急激なアップテンポに変わっていくドラマティックな変奏の妙、と、固唾を呑んで鑑賞した。

 「シェルブールの雨傘・変奏曲」の素晴らしさは言葉を失うほどだった。ジャージーでソフィスティケートなリズムからディキシータッチ、ボサノバ風、タンゴ風、ポルカ風と変幻自在の「シェルブール」メドレーは御大曰く「音楽のDestroy」だと。若かりし頃の激情の片りんを少しだけ残しつつ、懐深いチャーミングな老爺ぶりに益々惚れ込み、1時間15分を堪能。

 

 仙台はようやく秋。ルグランの季節を迎える。