真鍋小学校を出てタクシーの運転手さんに板谷波山記念館に行きたいのですがと告げると、運転手さんは自分でカーナビを操作できないらしく、本部に連絡…土地勘のない私は車で50分と書いてあったから大丈夫かなと思って「お願いします」と出発…すると運転手さんが、「ガソリンがないからちょっとガソリン入れて行くけどいいですか」と訊くので「どうぞ」と言ったら、「お客さん怒らないの?」と言うので「怒る人なんて居るんですか?」と言うと 「みんなふざけるな」って言うよ…と…
この後この運転手さんの言う「ガソリン入れる場所」がまさか目的地から逆方向で且つ遠いとは思わなかったが、私は森の学校を観た余裕で、ニコニコとしていた。
ガソリンスタンドでガソリンを入れるのかと思っていたら、まさかのタクシー会社本部にあるガソリンを入れ、外で同僚と話して缶コーヒーまで買って飲んでる余裕…
このおじさん、大丈夫かなあとちょっと心配になったけれど、それでもまだ余裕だった。
板谷波山記念館はかなり遠かった。
きちんと計画を立てず何も調べずタクシーに乗った私が悪いのだ。
運転手さんは何度か「この辺は地名が変わったからねえ」と言いながらカーナビを無視して道に迷って遠回り…到着してみると料金は15400円だった…
本当は待っていてもらって土浦まで帰る所だったが、到着する前に「あっあれが駅だ」と運転手さんが言っていたのを聞き逃さなかった私は、受付ですぐに「駅は近いですか」と訪ねた。「はいここを真っ直ぐ行ったところ…10分ぐらい」と言われて即、待っててもらったタクシーに戻って精算させてもらった。帰りも15000円かかるはずがそうならなかったのは春馬くんが見守っていてくれたのだと勝手に思っている。
記念館にいるのは私一人だった。
人の邪魔をせずに一つ一つの作品をじっくり見ることができた。
作業場も窯も時間をかけてみることができた。
受付で100円多く払うと、しもだて美術館にも展示されている板谷波山の作品を観れると言うのでそちらにも寄ってきた。
こちらの展示の中の白い壺に惹きつけられて、何度も行ったり来たり…ここでも私は一人だった。
なんと言う贅沢…板谷波山さんの作品をじっくり一人で味わえるなんて!!
下館駅から友部駅に行き、そこから特急に乗った。
少しずつ東京に近づいている。
春馬くんの故郷、土浦への旅は終わろうとしている。
足がすくんでずっと行けなかった茨城…
行って良かったと思う。
また行きたいと思う。
今度はうなぎを食べに…
はるまちカフェに…
もう一度セントラルシネマズへ…