先週、映画「パーフェクトデイズ」を
観てきました。



カンヌ映画祭で役所広司が男優賞を受賞。

ヴィム・ヴェンダースが監督、トイレ
掃除をする男の話。

当初は、映画になる予定ではなかったと

役所さんが「あさイチ」で話していました。



ストーリーは、役所広司演じるヒラヤマが

朝起きて仕事に行き、お昼を食べてまた仕事を

して夕飯を食べ、寝る。その繰り返しの日々の

中で起きた出来事を描く。


ヒラヤマの朝は、近所の誰かが道路を掃く、

竹箒の音で始まる。布団をたたみ、歯磨きを

し、ヒゲを整え、小さな鉢植えの植物に

霧吹きで水をかける。着替えて車のキーを

持ち、小銭を握り締め、アパートの駐車場に

置かれた自販機で、コーヒーを買い、仕事用の

ワンボックスに乗ると、積んであるカセット

テープからその日の朝の音楽を選び、聞きながら

朝焼けの道を走り、仕事に出かける。


この所作が、繰り返し繰り返し描かれる。

ずっとヒラヤマが映っているのだが、数分

経って、最初に言葉を発したのは、同僚役の

柄本時生。ヒラヤマは言葉がしゃべれない

役柄なのかと思ったくらい。

全編にわたってセリフは非常に少ない。


トイレの掃除は非常に丁寧で、途中で

トイレを利用する人への態度も、誠実

言葉を発しなくても、人柄が伝わる。

自転車で夕食に訪れる店や、利用する

古本屋、銭湯等、詳しい説明がなくても

なじみであり、距離感がよくわかる描写。


トイレを清掃中の立て札を置いてあっても

構わず、トイレを使いに来る人たちは

ヒラヤマに許可を求める人はおらず、

仕事を中断されるがヒラヤマは黙って

表で待つ。

迷子になった男の子を気遣ってやっても

母親は礼ひとつ言わず去っていく。

それでもヒラヤマは微笑みを浮かべる。


柄本時生が入れ上げる、ガールズバーの

アヤは、見た目は派手だが、ヒラヤマの

車に同乗した時、カセットテープを見て

「聞いてもいい?」と、ヒラヤマに、唯一

許可を求める人間として描かれる。



途中、ヒラヤマを頼って家出してくる少女が

どういった関係なのか、ヒラヤマのそれまでの

人生も全く説明がなく、語られないが、

ほんの数分の再会の描写や渡される紙袋等で

親との関係やヒラヤマの人生の選択の

基準のようなものが示される。


厭世的と言うわけではなく、人嫌いでもない。

全てに無駄のないミニマリスト的な

生き方ではあるが、合理性を求めているわけ

でもない。

足るを知る人の生き方なのだろうか。


何が、とは言えないが、感動した。

好きな映画です。



近所のイオンでは、昼間1回の上映。

年齢層高めのご夫婦が多かったかな。

今回も、イオンオーナーズカードで。

映画代1000円で、ポップコーンかジュースが

選べる特典は2月で最後なので、

これが優待ラストポップコーン😭



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