もうすぐ春ですね | 技術部の部屋

技術部の部屋

北海道のとあるテレビプロダクションの技術部屋!!
日々の他愛も無い出来事をダラダラと…。

と言えば、キャンディーズ。
先日、偲んで懐かしの映像が放送されてました。
中でも、幻の歌番組「夜のヒットスタジオ」が。
勿論、リアルタイムでキャンディーズは知りませんが
小さい頃「夜ヒット」は放送されていて、
母親と一緒に見ていたのを思い出します。
確か、毎週木曜22時からの放送だった様な気が。
ちなみにその後、23時からは「今日の出来事」と言うのが
我が家のタイムスケジュールでした。
只、幼い自分にとってはかなりお寝むな時間。
大概落ちてました。

「夜のヒットスタジオ」はフジテレビ(河田町時代)最大級の第6スタジオから
毎週生放送。1968年11月4日から1990年10月3日まで、約22年間放送
された長寿番組。そして「夜ヒット」と言えば斬新な演出はもとより
何と言っても凄いのが無敵のカメラ隊。躍動感溢れるカメラワークと、
見事なペディスタルワーク。
それは歌番組と言うよりは寧ろPVを見ている様。

そんな大先輩方も操っていたのが、国産カメラの名機、TK-301A。
さあ、どんどん話がズレて行きますが。

池上通信機が1971年に小型軽量1インチプランビコン・カラーカメラ
(TK-301A)を開発、NHK(全国配備)をはじめ民放各社に数多く納入、
翌年の札幌冬季オリンピックでも活躍します。
これによって「カメラの池上」の地盤を確立します。
$技術部の部屋
この頃のカメラデバイスは撮像管(真空管)が主流でした。
自分が入社した当時も(十数年前)局にはチューブカメラがまだまだ現役で
活躍していました。(東芝PK-41 これもまた名機。)
さて、プランビコンとは? $技術部の部屋
プランビコン (Plumbicon ) は1962年にオランダのフィリップス社が発表
した商標。光電面が酸化鉛(PbO)の高感度ビジコンで、出力は弱いものの、
信号/雑音比が優れていて、イメージオルシコンに比べて解像度が優れて
いたが、輪郭が不自然でした。日本では松下電器(グループの松下電子)が
製造していました。

そもそも「映像」は「光の集まり」。
「見える」と言うのは「光を感じる」こと。
モノや風景に当たった光が目の中に入って、それを目の奥で感じることです。
その「光の集まり」=「映像」を光のまま遠くに送る事は出来ないので、
映像をいったん別のものにしてから、遠くまで送ります。
「光」を「電気の信号」に変換。(光電変換あるいはO/E変換)

1本の撮像レンズから入った光学像をプリズムで光の三原色、
赤(R)・緑(G)・青(B)に分解して、それぞれの撮像管に分配します。
ガラス管の外径が1インチ、それが3本。1インチ3チューブ。(3管式)
あるいはプランビコン管が3本で3P。
$技術部の部屋 手制の汚い図ですみません。
そしてチューブカメラの特徴が何と言ってもあのコメットテール。
「夜ヒット」でも照明が映るとビヨ~ン。
(カメラがパンしたとき赤の残像が尾を引く現象)
ちょっとしたエフェクトにも見えます。

また、とっても手の懸かるチューブカメラはVEさん泣かせ。
生放送や収録の2時間前にはスタジオに入り、ヒートラン。
レジ調(分解した3色の象を重ね合わせること。レジストレーション合わせ。)
に色調(ホワイトバランス調整)と大変だったそうです。

現在ではチューブ(管)からボード(板)~CCDにデバイスが替わりました。

話がキャンディーズから始まり、何とCCDで終わりました。
CCDの詳しい事はまたの機会に。