帰郷~居場所~
申し訳なさそうに言い出した
『…千里ちゃんの想い本当に気付いてなかったんですか?
見守るだけの兄貴でいるなら
俺なんかに気付かれるような覚悟じゃ甘いですよ…
ずるいですよ
だから…
俺の…未練を断ち切る為にも…
ヒロさん…殴らせてもらいます』
真剣な瞳は潤んでいた
言葉になったかどうか一言告げ覚悟すると
バシッ!
椅子に倒れ込んだ
その様子と物音に店の中は一瞬騒がしくなった
痛かった
あいつの想いが
胸に痛かった
千里を幸せにしろと全身で訴えるように店を出て行った
ゆっくり立ち上がる俺に
『使えっ』
店長がおしぼりを投げて来た
ちょっと怖面でどことなく、タケ兄に似ている
切れた口元を拭くと
『イテッ!』
俺の中からバンドラの箱が完全に消えていた
ドアが開きお客なのか一人入って来た
その足音は足速に真っ直ぐ近づいて来る
そして
『ヒロ君、大丈夫?』
心配そうな顔の千里だった
(12時迄に来ないと魔法は解けないで妹のままだよ
伝えておいで)
そんなメールがあり駆け付けて
彼氏と鉢合わせにかり
『来たね。
良かった千里ちゃんの気持ちが本気だって分かって…
きっと大丈夫。伝わるから
いい人で別れようと思ったんだけど
ごめん…
君の大切な人…殴っちゃったよ
千里ちゃんに出会った事も
ヒロさんを殴った事も
後悔していないから
必ず幸せになってよ』
殴った右手を撫でながら、頑張って笑顔で話す彼氏に何も言えずただ
『ありがとう…』
笑顔で返すのが精一杯だったと申し訳なさそうに話した
二人で店を出ようとすると
『気付かせて貰ったんだ
その痛み忘れるなよ…
二人で笑ってまた食べに来い』
視線を合わす事なく話す店長に
ぎこちない笑顔で応え店を出た
今までに無いにぎこちない空気感に戸惑い言葉が出ない
何か話そうと口を開くと
『イテッ』
思わず声が出て傷口を押さえた
『明日、会議があるのに…まずいよな』
『痛そう…
そういえば、前にもあったよね大事な時に…
大学受験の前だ!リュウ君に殴られたんだよね?
理由は何だったの?』
そんな事があった
あの時にバンドラの箱をぶち壊し向き合っていたら…
リュウの想い知ってたのに
俺は…
2回とも千里絡みで殴られ…
理由は言えないな
隠し続けてたリュウの為にも
軽く聞き流すように答えると
俺の顔を覗き込み
『ふ~ん』
疑い深い顔で一言
一言だけというのがどこと無く怖さがあったりする
24時過ぎ
さすがに人が疎らだ
店のショーウィンドーの明かりが眩しい
とりあえず開いてる店に入った
テーブルを間に千里と向き合い座った
何度もこんな風に座り話した事はあるのに…落ち着かない
まるで初デート
俺は中学生かよ
そんな俺の前に珈琲を置くと
特に変わる事が無いまま座る千里
女性(おとな)に見え妙な感じだった
『どうかした?何か変だよ…
ヒロ君らしくないよ』
見透かされた
ごまかすようにどうにか話しをし始めたが
笑うのを我慢しているのが気になり話しを止めると
『ごめんなさい。
笑うつもりは無いんだけど
いつもと違って一生懸命に話すんだもん…
「なんか可愛いんだもん」』
調子が狂ってしまい
上手く話しが続けられない
どのくらいだろう静かに時間が過ぎ
ゆっくり千里が話し出した
『分かっていたんだよね
ヒロ君にとっては妹の粋を出ていないって
諦めなくちゃって思うたびに
思い出しちゃうんだよね
あの時の事…
ヒロ君は気付いていたんでしょ
私を止めることも
避けることも出来た
でも
しなかった…
受け止めてくれたのかもって
都合のいい思いが甦って
また
甘えちゃったんだよね…
諦めようって頑張ったんだよ
これでも』
頑張って笑う千里
「千里なりに切り替える努力をしてきたはずだ
向き合って話して、解放してやれ」
タケ兄の言う通りだ
中途半端な俺の態度で迷わせていた
話さないとな
あいつが一番知りたいはずのあの頃の俺の気持ち
『「俺のマンションに来るか」
ヒロ君にそう言われた時ハッキリしたんだ
やっぱり妹なんだって
だから本気で
彼と付き合ったんだけど…
ダメだったみたい
ヒロ君のことは忘れるとかそういうことじゃないみたいで
ヒロ君の中でどうんな場所に居ようと
私の中では一人の男性(ひと)だったから
もう隠さない
逃げない
彼が気づかせてくれたから
本当の気持ち
私…ずーっと前から
ヒロ君のこと…』
『ちょっと待て!』
真っ直ぐに見つめて話す千里
俺も同じ
千里の彼氏に
リュウ達に気づかせてもらった
千里にあの時のように言われたら
また同じになりそうで
慌てて止めた
あの時なぜ止めることも避けることもしなかったのは
俺の中に千里と同じ感情があったのかもしれない事
何より
千里の一言に気を取られて
その一言が思うよりも俺に影響をもたらし
悟られないようにしてた時
千里の彼氏騒ぎに
結構らしくないショック受けた事
自分の想いを封印する為に言った
「彼氏出来てよかったな…」
俺なりに精一杯話してみた
俺としてはちょっとした告白のような話しをしたはずなのに
反応が…
『あの時…ヒロ君に何か言ったの?』
飲みかけた珈琲を思わずこぼしたまま止まった
『…千里ちゃんの想い本当に気付いてなかったんですか?
見守るだけの兄貴でいるなら
俺なんかに気付かれるような覚悟じゃ甘いですよ…
ずるいですよ
だから…
俺の…未練を断ち切る為にも…
ヒロさん…殴らせてもらいます』
真剣な瞳は潤んでいた
言葉になったかどうか一言告げ覚悟すると
バシッ!
椅子に倒れ込んだ
その様子と物音に店の中は一瞬騒がしくなった
痛かった
あいつの想いが
胸に痛かった
千里を幸せにしろと全身で訴えるように店を出て行った
ゆっくり立ち上がる俺に
『使えっ』
店長がおしぼりを投げて来た
ちょっと怖面でどことなく、タケ兄に似ている
切れた口元を拭くと
『イテッ!』
俺の中からバンドラの箱が完全に消えていた
ドアが開きお客なのか一人入って来た
その足音は足速に真っ直ぐ近づいて来る
そして
『ヒロ君、大丈夫?』
心配そうな顔の千里だった
(12時迄に来ないと魔法は解けないで妹のままだよ
伝えておいで)
そんなメールがあり駆け付けて
彼氏と鉢合わせにかり
『来たね。
良かった千里ちゃんの気持ちが本気だって分かって…
きっと大丈夫。伝わるから
いい人で別れようと思ったんだけど
ごめん…
君の大切な人…殴っちゃったよ
千里ちゃんに出会った事も
ヒロさんを殴った事も
後悔していないから
必ず幸せになってよ』
殴った右手を撫でながら、頑張って笑顔で話す彼氏に何も言えずただ
『ありがとう…』
笑顔で返すのが精一杯だったと申し訳なさそうに話した
二人で店を出ようとすると
『気付かせて貰ったんだ
その痛み忘れるなよ…
二人で笑ってまた食べに来い』
視線を合わす事なく話す店長に
ぎこちない笑顔で応え店を出た
今までに無いにぎこちない空気感に戸惑い言葉が出ない
何か話そうと口を開くと
『イテッ』
思わず声が出て傷口を押さえた
『明日、会議があるのに…まずいよな』
『痛そう…
そういえば、前にもあったよね大事な時に…
大学受験の前だ!リュウ君に殴られたんだよね?
理由は何だったの?』
そんな事があった
あの時にバンドラの箱をぶち壊し向き合っていたら…
リュウの想い知ってたのに
俺は…
2回とも千里絡みで殴られ…
理由は言えないな
隠し続けてたリュウの為にも
軽く聞き流すように答えると
俺の顔を覗き込み
『ふ~ん』
疑い深い顔で一言
一言だけというのがどこと無く怖さがあったりする
24時過ぎ
さすがに人が疎らだ
店のショーウィンドーの明かりが眩しい
とりあえず開いてる店に入った
テーブルを間に千里と向き合い座った
何度もこんな風に座り話した事はあるのに…落ち着かない
まるで初デート
俺は中学生かよ
そんな俺の前に珈琲を置くと
特に変わる事が無いまま座る千里
女性(おとな)に見え妙な感じだった
『どうかした?何か変だよ…
ヒロ君らしくないよ』
見透かされた
ごまかすようにどうにか話しをし始めたが
笑うのを我慢しているのが気になり話しを止めると
『ごめんなさい。
笑うつもりは無いんだけど
いつもと違って一生懸命に話すんだもん…
「なんか可愛いんだもん」』
調子が狂ってしまい
上手く話しが続けられない
どのくらいだろう静かに時間が過ぎ
ゆっくり千里が話し出した
『分かっていたんだよね
ヒロ君にとっては妹の粋を出ていないって
諦めなくちゃって思うたびに
思い出しちゃうんだよね
あの時の事…
ヒロ君は気付いていたんでしょ
私を止めることも
避けることも出来た
でも
しなかった…
受け止めてくれたのかもって
都合のいい思いが甦って
また
甘えちゃったんだよね…
諦めようって頑張ったんだよ
これでも』
頑張って笑う千里
「千里なりに切り替える努力をしてきたはずだ
向き合って話して、解放してやれ」
タケ兄の言う通りだ
中途半端な俺の態度で迷わせていた
話さないとな
あいつが一番知りたいはずのあの頃の俺の気持ち
『「俺のマンションに来るか」
ヒロ君にそう言われた時ハッキリしたんだ
やっぱり妹なんだって
だから本気で
彼と付き合ったんだけど…
ダメだったみたい
ヒロ君のことは忘れるとかそういうことじゃないみたいで
ヒロ君の中でどうんな場所に居ようと
私の中では一人の男性(ひと)だったから
もう隠さない
逃げない
彼が気づかせてくれたから
本当の気持ち
私…ずーっと前から
ヒロ君のこと…』
『ちょっと待て!』
真っ直ぐに見つめて話す千里
俺も同じ
千里の彼氏に
リュウ達に気づかせてもらった
千里にあの時のように言われたら
また同じになりそうで
慌てて止めた
あの時なぜ止めることも避けることもしなかったのは
俺の中に千里と同じ感情があったのかもしれない事
何より
千里の一言に気を取られて
その一言が思うよりも俺に影響をもたらし
悟られないようにしてた時
千里の彼氏騒ぎに
結構らしくないショック受けた事
自分の想いを封印する為に言った
「彼氏出来てよかったな…」
俺なりに精一杯話してみた
俺としてはちょっとした告白のような話しをしたはずなのに
反応が…
『あの時…ヒロ君に何か言ったの?』
飲みかけた珈琲を思わずこぼしたまま止まった