リピート中のメイちゃんの執事 (最終回ラストの妄想)) | ~From.裕~

リピート中のメイちゃんの執事 (最終回ラストの妄想))

      約束
剣人とメイの別れの挨拶が終わったあと…
 一瞬の間そこに、理人と剣人の兄弟、いや男同士の会話があった
『あいつのこと頼んだからな。泣かすようなまねすんなよな』
『そのつもりだと言ったはずだ。お前じゃあるまいし、それにお前に言われる筋合いはない』
むかつく言われ方だが、気持ちを落ち着かせ言い掛けると
『心配するな』
優しい口調に戸惑う剣人
『お前と違って俺はSランクだからな』
『何だよ!ここまできて嫌みかよ』
軽く微笑む理人
『早く俺の所まで上がって来い』
『兄貴…』
素直に受け止める剣人だったが、男としての理人が気になり
『俺が居ないからって、あいつに手、出すなよな』
『手…ね…どんな手だか』
『あのなぁー』
『そうむきになるな!安心しろ…手は…な。』
何処か怪しさのある言い方が気になる剣人は          『手は?…嫌な言い方しやがって…』
ボソッと呟いた言葉をメイに問い掛けられ慌てて理人に拳を突き出し
『首洗って待ってろよ……ありがとう…な』          左手で拳を高く上げながら剣人は立ち去った。
『あいつはいい執事になります』               理人の言葉に微笑むメイが何見つめ合っていたのかと聞くと
『兄弟…いえ男同士のたわいもない会話です』
『そう…やっぱり兄弟なんだ… 羨ましい』
言いながら通り過ぎるメイを不思議そうに見つめる理人が声を掛けると
『心でわかりあえて兄弟っていいなと思って』
『兄弟がよろしいのですか?… 我々執事はお嬢様のお幸せを願いながら、想いを受け止められるよう日々見ております…     《言い合える喧嘩相手の剣人が居なくなるのは寂しい》とか…』
いかがですかと微笑む理人に、心を読まれ慌てて言い訳をするメイに顔を近づけ、胸に手を当て
『あとはメイ様がお受け取り下さるだけでございます。     …出来れば剣人が執事として戻る前にお気付き頂きたいのですが』
心がわかりあえる人がいることを改めて気付いたが、そんな事言われてもと戸惑うメイ。     瞳を反らさず微笑む理人に背をむけた。            ふと…剣人が見習いでなく執事として帰って来たらどう呼べばいいのだろうと呟いた。
『お嬢様の心で呼んで頂けるのなら、たとえ「ねぇ。ちょっと。あんた…」だとしても』
メイの言い方を真似するように言われ、酷い呼び方しかしていなかったことを反省するメイに
『どんな呼ばれ方をされたとしても…メイ様の心のある言葉ですから』
『でも…』
きちんと呼んでいないことを少しも責めることなく、適当な呼ばれ方を愛しむような理人に少し罪悪感を感じた。
泉、リカ、不二子…達の呼び方を思い出していると
「待ってようケンちゃん」「遅いよリツちゃん」
『ケンちゃん?…リツちゃん?…剣…人』
呟くメイの言葉が理人の顔を少しくもらせ、思わず
『メイ様…』
その微かな切ない声に反応するように理人を見つめると
『理…人…』
『メイ様』
優しく呼ぶ声に停止状態になり理人を見ているメイに      『今、なんとおっしゃたのですか?』
『べつに…たいしたことじゃないから…気にしないで』
たどたどしい言い方のメイを嬉しそうに見つめ
『二度目でございますね…名前を呼んで頂いたのは』
『…聞こえてたんじゃない』
さらに笑顔になりながら
『しっかり…ここに刻ませて頂きます』
胸に手を当て軽く瞳を閉じ頭を下げた。
そんな理人の姿が嬉しく思う自分を隠すように
『刻まなくていいから!そんな事より』
優しくしっかり見つめる理人に言葉が続かないメイ。
『メイ様が、望まれるのでしたらいつでも柴田理人として、メイ様のお傍に』
穏やかに覚悟を示す理人。   『な、何んなのよ急にまた、妙な事言って…そんな事より帰るよ!』              さりげなく凄い言葉に動揺する自分にも言い聞かせるようにしても、理人に引き付けられるようで、思い切って言葉を出した。   『きっと大変な事になってるだろうから…なんとかしてよ』   理人の微笑みに        『り…ひ…』         見つめ合う二人。振り切るように
『り、り立派なひつじなんだから!』
言い終わらないうちに歩き出すメイを愛しそうに見つめ
『かしこまりました』
そして嬉しそうに追いかけながら
『メイ様!ひつじではなく執事でごさいます』
『ひつじでも羊でもいいでしょ!』
立ち止まるメイに
『それでは言い方が違うだけでごさいます…言いにくいのでしたら、名前がよろしいかと…』
ちょっと怪しい微笑みを浮かべる理人
『名前…?』
軽く頷き顔を近づけ、誘導するように
『り…』
理人の瞳に引き込まれるように繰り返すメイ
『り…』
『ひ…』
『ひ…』
『と』
瞳が一段と輝きが増すと、暗示が解けたようなメイは、今までない優しく微笑む理人の顔に思い切り動揺し
『言いません!…絶対!言わない!…二度と言わな~い…帰るよ!』
ごまかすかのように言い捨てると足早に歩き出した。そんなメイを見つめ
独り言のように
『お待ち申し上げます。    心から呼んで頂ける日を…   いつまでも…メイ…様…     あなたのお傍で』


【後半へ続く】