月に一回行われる強化練習会。
質の高い練習ができるから毎月通っていたけれど、周りはみんな知らない人。明るく楽しい練習なんてできなかった。
県大会で上位になれるように、決勝に残るように。ただ質の高い練習を求めて参加していた。

でも、君と出会ってそんな練習は一変した。メールアドレスも交換し、お互いの近況報告までするような仲になった。
俺より少し速い君の存在があったから、追いつこう、追い抜こう ってがんばれた。

久しぶりに会ったのが年明けの春。
君は4位になった。一気に力の差が広がった…
お互いに速くなるとは思っていたけど、まさか県4位になるなんて…
正直取り残された気がしたよ(笑)
速すぎやろ!って突っ込んだら「顧問が変わってちゃんと練習積めたからね」
軽く言ってのけた君はかっこよかった。
その後驚異的なタイムを叩き出し、都道府県駅伝の埼玉県代表に君が選ばれたとき、勝手だけど俺は君と友達になったことを誇りに思ったんだ。

全国高校駅伝に出るために埼玉栄に進学する って聞いたとき、君の存在は遠くなったけど、また一緒に走りたい、素直にそう思った。

今はもう、5000mで1分以上の差が開いたけど、俺はいつまでも君と友達でいたい。初めて話したあの日を忘れられないから。

「栄がとまった!」
そう速報を聞いたとき、「まさか…」とは思ったけど、本当に君だとは思わなかった。
それから待つこと15分。オレンジ色の集団に付き添われ、苦しそうな表情を浮かべながらもなお懸命に腕を振って前に進む君を見て、俺は無意識に君の元に駆け寄っていた。
絶対王者の一員として、優勝を義務付けられていたのかもしれない。一位じゃないといけなかったのかもしれない。
でも、襷を途切れさせない君の気持ちこそがチームワークなんだな って、そう感じた。

声援が届いたかはわからない。認識してもらえたかはわからない。
でも、君の頑張りに俺は感動した。


例えどんな怪我だったとしても、俺は君とまた走れる日がくると信じて練習しているから。
無責任かもしれないけど、絶対に治して、来年また全国高校駅伝を目指すことを願ってる。



頑張れ、小野寺。