本格的な夏を目前に控え、暑さ対策が必要な季節になった。暑さに伴う症状として、運動などで汗腺が詰まり、汗の出口がふさがれて炎症を起こす汗疹(あせも)に加え、汗自体が刺激となってかゆみが起きる汗かぶれにも気をつけたい。服装に気を配り、こまめに汗をふくことで皮膚のトラブルを防ぐことが重要という。(森本昌彦)
[イラストで見る]汗疹は汗腺が詰まり、汗の出口がふさがれてできる
◆かゆいと汗疹?
「夏にできてかゆいのは汗疹と思っている人が多いですが、汗疹でないこともあります」。よしき皮膚科クリニック銀座(東京都中央区)の吉木伸子院長はこう語る。吉木院長によると、汗疹は、長時間の異常な発汗に伴って汗腺が詰まり、出口を失った汗が皮膚内にとどまって炎症を起こす。暑い場所での運動などが原因で起こり、大人に比べて体温が高く発汗しやすい子供に多くみられる。大人の場合、肉体労働をしている人は要注意だ。
これに対し、大人がなりやすいのが汗による皮膚かぶれのような症状。かゆさを伴うため汗疹と思いがちだが、本来の汗疹が全身に出るのに対し、服などで密閉された体の一部分にできやすい。
なりやすい部位は、男性の場合はワイシャツの襟やベルト部分、女性の場合はガードルなど下着で締め付けられている部分。服装にも注意を配ることが必要だ。
◆掻くのは厳禁
汗疹、汗による皮膚かぶれはいずれもかゆみを伴うため、つい掻(か)いてしまいがちだ。しかし、吉木院長は「掻いてはいけないという意識の低い方が結構いますが、掻くことで皮膚を痛めてしまいます」と指摘。傷ついた部分から黴菌(ばいきん)が入る恐れがある。特に子供の場合は見境もなくひっかくことがあり、親の気配りが必要だ。
予防のためには、どんな対策を取ったらよいのか。まず、外に出て汗を多くかいた場合は、シャワーなどで汗を流すのが一番良い。できなければ、汗をふいたり、吸水性の高い衣類を着て、汗を吸わせる。体のどこか1カ所を冷やせば汗が出にくくなるため、冷却シートなどで冷やすのも有効な手段という。
実際にかゆみを覚えたら、汗疹でも汗によるかぶれの場合でも、まずは市販の汗疹治療薬を塗って対処する。それでもかゆみが治まらない場合は、皮膚科で医師の診察を受けたほうがよいという。
汗疹などは温度変化で起こりやすくなる。吉木院長は「急に気温が上がったら要注意です」と呼びかけている。
■急に暑くなった年は治療薬も売れる
気温の変化と密接な関係にある汗疹。治療薬の売れ行きも気候に左右され、急激な温度変化がある時期は売り上げ個数が伸びている。
平成19~21年の気温の変化と治療薬の売れ行きを調査したユースキン製薬(川崎市)によると、19年は、8月が7月に比べて平均気温が4・6度上昇したため、治療薬の売れ行きは約33万個増加。20年は7月の平均気温が6月より5・7度高く、6月の約25万個から7月には109万個の売れ行きを示した。逆に、それほど気温の変化がなかった21年は治療薬の売れ行きも伸びなかったという。
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これに対し、大人がなりやすいのが汗による皮膚かぶれのような症状。かゆさを伴うため汗疹と思いがちだが、本来の汗疹が全身に出るのに対し、服などで密閉された体の一部分にできやすい。
なりやすい部位は、男性の場合はワイシャツの襟やベルト部分、女性の場合はガードルなど下着で締め付けられている部分。服装にも注意を配ることが必要だ。
◆掻くのは厳禁
汗疹、汗による皮膚かぶれはいずれもかゆみを伴うため、つい掻(か)いてしまいがちだ。しかし、吉木院長は「掻いてはいけないという意識の低い方が結構いますが、掻くことで皮膚を痛めてしまいます」と指摘。傷ついた部分から黴菌(ばいきん)が入る恐れがある。特に子供の場合は見境もなくひっかくことがあり、親の気配りが必要だ。
予防のためには、どんな対策を取ったらよいのか。まず、外に出て汗を多くかいた場合は、シャワーなどで汗を流すのが一番良い。できなければ、汗をふいたり、吸水性の高い衣類を着て、汗を吸わせる。体のどこか1カ所を冷やせば汗が出にくくなるため、冷却シートなどで冷やすのも有効な手段という。
実際にかゆみを覚えたら、汗疹でも汗によるかぶれの場合でも、まずは市販の汗疹治療薬を塗って対処する。それでもかゆみが治まらない場合は、皮膚科で医師の診察を受けたほうがよいという。
汗疹などは温度変化で起こりやすくなる。吉木院長は「急に気温が上がったら要注意です」と呼びかけている。
■急に暑くなった年は治療薬も売れる
気温の変化と密接な関係にある汗疹。治療薬の売れ行きも気候に左右され、急激な温度変化がある時期は売り上げ個数が伸びている。
平成19~21年の気温の変化と治療薬の売れ行きを調査したユースキン製薬(川崎市)によると、19年は、8月が7月に比べて平均気温が4・6度上昇したため、治療薬の売れ行きは約33万個増加。20年は7月の平均気温が6月より5・7度高く、6月の約25万個から7月には109万個の売れ行きを示した。逆に、それほど気温の変化がなかった21年は治療薬の売れ行きも伸びなかったという。
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