2017年は色々と達成感がある年ではあったけど、孫正義、イーロン・マスク、ザッカーバーグたちとの差は開く一方。今の延長線上に彼らはいないと改めて感じました。何かを大きく変えていく必要がある。

 

そういった中、2018年の個人的に大きなテーマは3つ。「Web3.0」「decentralization」「個のエンパワーメント」です。

 

「Web3.0」

2007年からこれまでの10年間は「スマホ、ソーシャル、クラウド」が牽引したWeb2.0の時代でした。そして2017年「VR/AR、IoT、クラウドAI」が牽引するWeb3.0の時代に突入しました。振り返ればgumiを起業した2007年はネット業界にとって大きな年でした。iPhoneが発売され、Twitterがローンチ、Facebookはプラットフォームを発表、AmazonはAWSを本格展開。この10年はWeb2.0が世界を牽引してきました。

 

2017年Oculusを始めとしたVRのHMDが出始め、AppleはARKitを発表。VR/AR時代がスタートしました。スマートスピーカーやAirPodsなどのIoTデバイスも広がりを見せ始めました。Google、Microsoft、Amazonなど各社がクラウドAIを提供し始め、誰でも簡単に高度なAIが活用できる環境は整ってきました。2007年はあらゆるチャンスが目の前に横たわっていました。「スマホファースト」をキーワードにWeb1.0時代のサービスをdisruptしまくっていきました。今は、その時と同じエキサイトメントを感じます。スマホからメガネ型ARデバイスへ。デバイスが変わる時UI/UXは再構築されガラガラポンが起こる。新しい時代の幕開けです!今年は特にARに力を入れていきます!

 

ウェブ3.0がやってくる!ーークラウドがAIと一体化、個人に紐づいたデータが爆発する世界(前編)

  

http://thebridge.jp/2017/05/web30-hironao-kunimitsu-the-first-part

 

出会った人の情報が直接目に飛び込むMR、その実現へのステップーーウェブ3.0がやってくる!(後編)

http://thebridge.jp/2017/05/web30-hironao-kunimitsu-the-latter-part

 

 

「decentralization」

2017年は仮想通貨が大きな注目を集めた年になりました。通貨という言葉に目がいきがちだけれども、個人的にこれはdecentralizationという大きなムーブメントの始まりだと思います。この未来を占う上で重要なのは、何からのdecentralizedが求められているのかを追究すること。インターネットは、そもそも個人をエンパワーメントさせる、「Power to the People」を目指してきました。ただ現状はFANGやBATなど少数の企業が中央集権型で全てのサービス、データをコントロールしていっています。「Don’t be Evil」Googleの素晴らしい理念ですが、最近は自社の利益のために、この理念から離れていっているのでは、と疑問を感じる瞬間は多々でてきています。一企業にこれほど大きな力を持たせても良いのか。彼らがEvilに落ちないと言い切れるのか。もしそうなった時に我々民衆に対抗する手立ては残されているのか。強大すぎる力は暴走するリスクを保持します。decentralizedなプロトコルは彼らからユーザーに力を戻します。多くのブロックチェーンプロジェクトが彼らからのdecentralizationを目指しています。通貨だけでなく、通信もクラウドもストア、マーケットプレイスも。ネット業界はこれまで既存産業をdisruptすることで事業拡大を続けてきました。今度はdecentralizedなプロトコル、サービスによって彼らがdisruptされる側に回る可能性が出てきています。今年のザッカーバーグの年頭所感でもdecentralizationが語られたのは凄く興味深く感じました。

 

もう一つdecentralizationを語る上で避けられないのが国家の劣化。急速すぎたグローバリズムの反動で、世界はこの数年で驚くほど不安定になってしまいました。自由、平等、幸福の追求などの理念は、経済的な見返りの前に無視され始め、世界中に独裁主義やポピュリズムが蔓延してきました。個人の権利というのは人類が長年の血と努力の上で勝ち取ってきたもの。その大切なものを、信頼できなくなった政府、指導者から守るためのdecentralizationという大きな流れでもあると思います。国民国家の歴史はまだ200年ちょっと、これが永遠に続くわけはありません。ミレニアル世代に、自分たちのアイデンティティを問うと、最も多い回答は「国籍」でも「宗教」「民族」でもなく「Global Citizens(世界市民)」だという調査結果もあるようです。更に国境を越えて展開するグローバル企業、ジャック・アタリがいうところの超ノマド(起業家、投資家など)、下層ノマド(難民)など国家に縛り付けられることを良しとしない人は増え続けています。Global Citizensにとっての国家に縛られない通貨、契約、通信などのニーズは今後ますます高まってくると思います。

 

FANGやBATを筆頭とする超巨大企業や独裁化が進む国家や指導者。我々が歴史から学べることは、権力は必ず腐敗する。「Power to the People」を理想として広がってきたインターネットが皮肉にも、全てを追跡して民衆から自由を奪うことを可能にするようになりつつあります。もちろん大企業や国家が腐敗せずに正しい行動だけを続けてくれることを願います。ただ、そうならなかった時の民衆にとっての選択肢は絶対に必要だと思います。仮想通貨やブロックチェーンの先端にいる人に、政府に対する信頼が薄い国の人が多いのは凄く納得感があります。

 

ブロックチェーンのテクノロジーはまだ黎明期で、どうやったら社会実装に耐えうるようになるかを、プロトコルレイヤーでトライ&エラーしている段階です。Web3.0のテクノロジーのように既に方向性は見えて、数年内に世の中を変えていくほど成熟はしていません。一般の人が使うサービス、アプリケーションが作れるようにプロトコルやインフラが整備されるまで10年は掛かると思います。明らかに現状でできることと、世の中の期待値が開きすぎているなかで、価格だけが高騰を続けているので、早晩このバブルは弾けると思います。ただインターネットバブルが崩壊した焼け野原から、AmazonやGoogleが生まれたように、今回のバブルの焼け野原から出てくる、世の中を変えるdecentralizedなプロトコルを見つけていきたいと思います。

 

 

「個のエンパワーメント」

自分自身の能力、影響力をもう一段上げていく必要があると感じました。そのために5つのチャレンジをしています。

 

1、糖質制限とトレーニングをもう一段階やりきって、1年365日戦える体力をつける。>数年前から続いているトレーニングは習慣化できつつあるし、去年始めた糖質制限もある程度成果はでました。今年はそれをもう一段階やりきる。まずは正月太りを直すところからw

 

2、より積極的なアウトプットに努める。>今年は情報発信の質と量を更に高める。今まで面倒で断っていた雑誌やテレビも含めて。面倒くさがらない!w

 

3、できる限り日本から離れて、世界中の多くの起業家や開発者、投資家たちと交流し、意見をぶつけ合う。>残念ながらイノベーションの中心は日本にはない。世界中の最先端で戦う起業家たちとの交流を深めることで、自身の見識をより深めていく。

 

4、本を週に最低2冊は読む。>子供ができると、まとまって集中した時間を作るのが難しくなるので、正直去年はあまり読むことができなかった。今年は、上手く時間を作る。

 

5、もっとクレイジーにリスクを獲りにいく。>創業当時から、「オールインを三回繰り返したら世界に届く」といって実践してきたけど、三回じゃ全然世界に手が届かなかったw ここから更に3回オールインするくらいのクレイジーなベットが必要。

 

【投資家・起業家対談】「オールイン」を三回繰り返したら世界に届くーーインキュベイトファンド本間氏×gumi國光氏

http://thebridge.jp/2013/09/interview-with-gumi-hironao-kunimitsu-and-masahiko-honma

 

 

2018年はモバイルゲームをもう一段階、上に持っていき、VRで成果を出して、できる限り早く上場時の時価総額まで戻せるように頑張り、動画は今までトライしてきた領域でブッチギリの一位になりつつ、バーチャルユーチューバーなどの新しい領域も開拓していきます。

 

そしてWeb3.0に仮想通貨、ブロックチェーンを始めとしたdecentralizedプロトコル。テクノロジー業界にまた大きな荒波がやってきました。2018年はとてもわくわくする年になりそうです!自分自身のリミッターをもう一度外して、この荒波をクレイジーに泳ぎきりたいと思います!今年もよろしくお願いします^^