新しい時代が始まっているのに、既得権益に縛られて新しい挑戦をせずに、音楽ファンたちを訴え続けている音楽業界に対してアーティストの反乱が加速してきました。

日本ではまだ個人に対する訴訟などがそこまで進んでおらず、CDの売上減を着うたでカバーできているので、そこまで大きな問題に発展していませんが、世界では音楽業界の崩壊が急速に進んでいます。そんな中、少しでも売上の減少を抑えようと、音楽業界はファンを訴えることに飽き足らずに、ロビー活動で、共有ファイルから音楽を違法ダウンロードする人々のインターネット・コネクションを遮断すべきだとする法案を提出してきました。それに対して、レディオヘッド、ブラー、ピンク・フロイドのメンバーらが反対の声を上げはじめました。

彼等の出した声明はとても重要だと思うので以下長文引用いたします。via:barks

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ミュージシャンの利害を代表する団体Featured Artists Coalition(FAC)のメンバーである、レディオヘッドのエド・オブライエン、ブラーのデイヴ・ロウントゥリー、ピンク・フロイドのニック・メイソンらは、共有ファイルは確かにレコードのセールスにダメージを与えているが、コンサート・チケットやマーチャンダイズの売れ行きを促進していると考えている。

オブライエンは『Times』紙にこう話している。「僕らの世代は、音楽に対して金を払うという観点を持って育った。どの世代もそれぞれ違う考えを持っている。共有ファイルはサンプラーや友人の持つ音楽をダビングするようなものだ。それで“これいいな、アルバム買うよ”とか“コンサート行ってみよう”ってことになる。新しい行動パターンが誕生しているところなんだ」

またデイヴ・ロウントゥリーは、共有ファイルに携わる人々のインターネット・アカウントを差止めしようとするピーター・マンデルソン・ビジネス・イノベーション技能大臣の提案は功をなさないと話している。「マンデルソンが推せば問題が解決するなんてエマージェンシー・ボタンできると思う? いたちの追いかけごっこになるだけだ。阻止する方法を見つけた途端、それを回避する新しい方法が出てくる。いまの状態を受け入れるしかない。僕らは、みんなが合法的にそれ(ダウンロード)をするよう導かなきゃいけない。でも、もっと軽いタッチでだ」

ニック・メイソンも同意見だ。「僕らが最もやりたくないことは、ファンとの戦争だ。共有ファイルっていうのは、僕らにとって新しい世代のファンを意味する。僕らの音楽を新発見する世代がいるのはいいことだ。共有ファイルは、その役割を担っている。この世代はほかの方法なんか使わないんだから」

彼らが属するFACは、このような強硬手段ではなく、人々が合法的に音楽を手にするよう奨励する新しいビジネス・モデルを助成すべきだと政府に提案している。その具体例はまだ模索中のようだ。
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こういったアーティストの声に音楽業界の人は真摯に耳を傾けるべきです。

手遅れになる前に


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