Vol.49 「スイスイ~帰ろう水曜日!今日は残業無し!(1)」 | ノムラ證券残酷物語

Vol.49 「スイスイ~帰ろう水曜日!今日は残業無し!(1)」

おそらく、今でも多くの金融機関が組合との関係でこのようになっていると聞いているが、私の在籍していた当時、ノムラ證券では、水曜日は「ノー残業デー」と称して、組合員(課長代理以下)は残業をしないで6時前後には帰るという習慣が徹底されいていた。


ノムラの組合は、労働者の権利を主張してストも持さないという所謂労働組合は、当時全国の全ての従業員で1万人程度はいたはずだが、たった「10人」程度だった。その他の従業員で課長代理以下はほぼ自動的に従業員組合に所属して、こちらはユニオンシップというのかスト権の無い、所謂御用組合として会社側と柔らかな調整を図るという組合だった。


入社当時、支店の従業員通用口で少人数派の労働組合のメンバーが、ビラを手渡していたのをもらって支店に出勤した時に、これがY田課長の目に留まり、ひどく怒られたことを覚えている。「K村ぁ~~~~!!!おまえ、何持ってんだぁ~~~!!!そんなもんは捨てろ!こんな連中と付き合っちゃダメだぞ!」って…さっぱり何のことか判らなく不満そうな顔をしていたら…直後、教育担当のH田主任インストラクターに別室(ブース)に呼ばれた。


H田主任は、「おまえらは分からないだろうが、ノムラには組合が2つあり、過激な労働組合の連中とは一切口を聞くな!理由はおいおいわかるようになるが、ノムラで出世をしたければ絶対に労働組合には近づくな!従業員組合の加入手続きがその内くるので、これに入るように!」と詳細な理由を聞かずに教えられた。


あまり過激に理由を教えると、万一にも新人が過激な労働組合支持のような頭の構造だと、これをネタに労働組合が騒ぐ事を恐れていたのだろうか、そのように徹底された。


さて、そんなことはこの詐欺集団の構成員になった以上、従業員組合に入るのが当たり前だったが、要するに水曜日だけは残業の無い平穏な日で、7時半位に付き合っていた彼女を新橋の地下の喫茶店で待ち合わせて、デートに飲みに行ったりすることも可能な、本来はそんな日だったはずなのだ…(続く)