Vol.20 「支店対抗野球大会」 | ノムラ證券残酷物語

Vol.20 「支店対抗野球大会」

それから程近い4月の週末、千葉の京成電車に乗って行った新興住宅地の八千代台というところに、別名ノムラタウンと称される関連会社の不動産会社が大分譲した住宅街があり、その近くに「ノムラ総合運動場」に向かいました。ここの野球場で首都圏の支店が毎週土日に集まってトーナメント戦を行うことになります。この総合運動場は後に「死の大運動会」と称される会場にもあるのですが、そんなことはまだ知る由もありませんでした。


1回戦は緊張しました。対戦相手の支店にも高校や大学まできちんとした野球経験者も当然いるわけで、私は中学まではピッチャーでしたが、高校時代以降はキャッチャーに転向組のため、まあ、素人よりは若干早い玉の速さと、昔の経験で何とか数回勝ち上がり決勝まで辿り着きましたが、その時には毎週2試合のダブルヘッターをこなして、おまけに高校時代に肩を壊してキャッチャーに転向していたのですから、そもそもピッチャーの肩では無かったのも含め、慣れない緊張も重なり肩はボロボロ体力も限界で、結局決勝では負けてしまいました。それでも、支店の面目は何とか保てたようで、私の席は確保され、正式に「虎の穴」の一員として認められた瞬間だったような。


毎週試合の後は着替え終わって、運動場施設の中にある結構立派な食堂で、支店毎に集まって、ビールを飲みながら反省会なのかただの飲み会なのかは別にして、酒乱の先輩や、相変わらず土日もうるさいY田課長も横に居て、ただ、楽しかったのは新人同期の女の子や、支店の綺麗な先輩女子社員が応援に駆けつけてくれていて、だんだん親しくなれることにちょっとだけトキメキを覚えながら、貴重な週末をほぼ毎週こんな感じで潰されて、学生時代から付き合っていた女子大生の彼女ともだんだん疎遠になっていきました。(続く)