Vol.4 「4月2日支店配属」
4月2日、研修センターを早朝出発し、朝7時半には虎ノ門支店のシャッターの前で3人でオドオドしながら待っていました。私は立教大学出身ですが、同じ支店に配属された他の二名は、明治大学のラクビー部崩れ・・・の色男(N野)で、もう一人は神戸商大の応援団の団長で、真面目に同期でも傑出の超~~~変人でした(ごめんな!T君)。
同期3人とこれから訪れる不安と期待の中、「頑張ろうぜ!」って声を掛け合いながら、何故だか妙な一体感のあった瞬間だったと思います。事実は小説より稀なりと言いますが、これから起ることはどんな小説よりも感動的に面白い出来事の連続でした。私は野村證券に感謝しています。でもあの当時のノムラ證券は正直狂っていたと・・・そう思うことが何度もありました。。。
さて、その後、誰かがシャッターの前でたたずんでいた我々を見つけて声を掛けてくれ、無事支店の中に入りました。8時前だと言うのに、営業の5課(営業課3課と法人課1課と、投資相談課1課)の営業マン約25名は全員何故か朝も早くから静かに席についていました。
地下の通用口から1Fの営業場に上がると、「おうぉ~~~今年の新人かぁ~~~」って、チビで、太って、頭の薄くなったY課長が声を掛けて来ました。直属の配属課になる営業2課のY課長は、当時精鋭揃いのノムラ證券でも全国1位のコミッション(手数料)成績を何度も取ったことのある超~個性的な、そして、セコさNO1の、敏腕営業課長で、彼の一声で我々の地獄の日々はスタートしました。
「おうぅ~~!H田ぁ~~~お前、今年のインストラクターだったなぁ~~お前先に面倒見とけぇ~~~前場終わったらあいつらに俺が少し話するからぁ~~~」って最初のオリエンテーションを指名されたのは、すらっとしたメガネの奥でいつも冷たい冷酷さを醸し出す、当時ではとても理論派の、またその頃の野村証券には似合わない最も紳士的な顔を持ちつつ、それでいて平気で客を殺す・・・冷酷非常な営業マン、早稲田大学政経卒のインテリ主任でした。
「君達、こっちに」と冷酷非常な顔をした銀縁のメガネの奥に「お前ら、可愛そうになぁ~~~」ってそのH田さんが歩いてきて、ブース(簡易応接室)に通されました。(続く)