脚本/監督:ケリー・コンラン
制作総指揮:オーレリオ・デ・ラウレンティス
音楽:エドワード・シェアマー
衣装:ステラ・マッカートニー

出演
スカイキャプテン(ジョー・サリバン);ジュード・ロウ
ポリー・パーキンス:グウィネス・パルトロウ
フランキー・クック中佐:アンジェリーナ・ジョリー
デックス:ジョヴァンニ・リビシ
謎の女:パイ・リン

文句なしに楽しい映画。
昨年は『パイレーツ・オブ・カリビアン』が一押しで、今年はこれって感じ。
いや、まったくもって、昨年の「一番セクシーな男優」がジョニー・デップで今年がジュード・ロウって、見事な流れなのかも。

で、ジュード・ロウ、「やらしい」冒険野郎を、それはそれは楽しそうに演じてる。
彼は制作にもからんでいて、グウィネス・パルトロウとアンジェリーナ・ジョリーに声をかけたのも彼自身らしい。
だから、三人のやりとりが絶妙に息があっていて、すんばらすぃ。

片目アイパッチの空軍中佐、フランキー・クック演じるアンジェリーナ・ジョリーは、もう絶対にばっちしと思っていたけど、見事なまでにばっちしだった。
撮影わずか三日だったとは思えない……出番は決して多くないけど、これ以上でたら、彼女の映画になっちまう、ぎりっぎりのところだったよ。

で、無鉄砲女ポリー・パーキンス。あまりにも整った顔の美女なんで、どうだろうと思ったら、はまるはまる。大はまり。あまりのはまり具合にのけぞるほど。
ラストの落ちまでばっちり引いて、ジュード・ロウとの息のあいぐあいも見事。

そして四人目。デックスのジョバンニ・リビシ、なかなかいいではありませぬか。これから注目だな。

この作品は、監督が自宅のガレージでMacの2ci(!)相手にコツコツ作り上げた六分のフィルムがもとで、夢が実現しましたの、それ自体、典型的ハリウッド成功譚だ。
しかしこの監督のバランス感覚たるや絶妙で、あれやこれや好きなものをいっぱい詰め込んでおきながら、細部に至るまで違和感がない。
もちろん「お約束」な話であるし、それはもう展開からして予想もつくことなのだけど、これだけ大がかりな謎の答えとしても、それなりに納得がいくものだったし、少なくとも「え?」と首をひねるところがないということ自体、すばらしいのではないかと思ってしまう。いや、そんなに見てるわけじゃないんですが。

それと、役者同士の軽妙なやりとりのもとになる脚本、これがよかったらしい。
(もっとも、アンジェリーナ・ジョリーの出番に関しては、彼女自身が「この時代の軍人はこんな口調でしゃべらない」とか、実在の人物にインタビューまでして調べてきた膨大な資料で監督をねじ伏せて(笑)手直ししたらしい。それがまた、実に、「らしくて」いいできなんだなぁ。いやー、根性ある役者さんや)

なんというか、肩の力を抜いて、ワクワクしながら笑って見てほしい映画である。

そうそう。
音楽がいい!
サントラ盤入手したいぞ。



アーティスト: サントラ
タイトル: スカイ・キャプテン