原題:小心間諜
英題:TO SPY WITH LOVE
90年香港
制作:泰迪羅賓(テディ・ロビン)
監督:マック・タイキット
脚本:シト・チクホン、トゥ・クォッワイ 鄭忠泰
撮影:李子衛
音楽:泰迪羅賓(テディ・ロビン)
出演:泰迪羅賓、ニナ・リー、シベール・フー

鬼才テディ・ロビンの八面六臂の活躍が見られる楽しい映画。
ニナ・リーとシベール・フーの激突も楽しい。
女の子たちのロックバンドのマネージャーをやってるテディ・ロビンは変なやつ。(ドラムスやってるマリア・コステロは有名な歌手で、役者としても活躍している。彼女のシャウトのきいた歌声は、『友は風の彼方に』の冒頭でも聞ける)
今日も今日とて、ボインなねーちゃん(エイミー・イップだ)に迫られ、うひひと思ったら彼女は死んでしまい、そのあと妙なやつらに付け狙われる。
どうやらボインちゃんが盗んだマイクロフィルムを追って、各国スパイが入り乱れている様子。
かたやニナ・リー、かたやシベール・フー、どっちが正義かニセモノか。
いや美女に迫られるなら誰だっていいぞのテディ・ロビン。
とまぁ、こんな感じで、やっぱり最後は振られるのね、という展開でござる。

ニナ・リーもシベール・フーも大好きなので、この映画それだけでも美味しい。
特にニナ・リーの扱いは最高。
しかしねーちゃんたち、どうして最後、喧嘩するのにレオタードでなきゃいかんの?
いや、そりゃやっぱり、美しいボディラインを余すところなく見せつけるためでしょう。
てな感じの楽しい映画です。
どうってことないストーリーだけど、無駄がないので見ていて飽きることなく、最後まで楽しませてくれるのも、香港映画としては上出来……かな。

テディ・ロビンは、『飛龍伝説オメガ・クエスト』といい、『羣龍奪寶』といい、すんげー美味しい役者である。
が、本業はやはり、音楽家だね。
本名は關維鵬(スタンリー・クワン關錦鵬と親類?)、子役としても活躍し、60年代に「花花公子楽隊」というバンドを結成して、TVなどでも音楽活動をしていたらしい。
プロデューサーとしても映画に噛んでいるし、当然、映画音楽も多数(とりわけ『友よ風の彼方に』の音楽は特筆に値する……と思うよ)、そして主役脇役とりまぜて、画面でも異彩を放っているというわけ。

一番好きな作品は『羣龍奪寶』かなぁ……あのちょっと底意地の悪い、しかも底力ありそーなオヤジの役はよかったよ。