宇宙の万物は「固有の波動」を持っています。そして、波長の合うものは引き寄せ合います。それにより「縁」が出来ます。全ての縁は、この引き寄せの法則により成り立っています。例えば、「家系の縁、親子の縁、友人の縁、結婚の縁、仕事の縁、様々な幸運の縁、逆に事件や事故などの不幸現象の縁、ありとあらゆる出会いの縁、など」の様々な縁は、全て自分自身が引き寄せるものなのです。人は、生まれてくる時に、魂の波長が合う家、両親を選び生まれてきます。そして、波長の合う友人、伴侶、職業などを選び、生きているのです。

 

波長は、「魂の浄化レベルにより異なる」と言えます。魂の浄化レベルは、年令と共に浄化できる人もいれば、あまり浄化が進まない人も居ます。中には、浄化レベルの下がる人さえいます。ですので、申し上げた様な「波長の合うモノとの縁は、時を経るとともに変化する場合が多い」と言えます。例えば、友人、知人との縁は、知り合った当時は波長が合っていたとしても、長い間付き合っているうちに既述の様に進化する人とあまり進化しない人が出てきます。波長が異なってきた場合には、我慢して付き合うか、付き合いをやめるかという事になります。また、結婚の場合も年を経るとともに夫婦の波動が異なるケースが多く見受けられます。そうなった場合には、「あまり良くない家庭となり、離婚をするか、我慢をするか」という事になります。

 

 

結縁灌頂(けちえんかんじょう)は、およそ1200年前に弘法大師空海様が、唐の都長安の青龍寺で恵果阿闍梨様から受けられた仏様とのご縁を結ぶ密教の最も神聖な儀式です。密教には、仏様の世界や悟りの境地を描いた「曼荼羅」という絵があります。金剛界と胎蔵界という二つの絵があります。

胎蔵界の曼荼羅です

 

結縁灌頂は「金剛界と胎蔵界」という二つの儀式があります。結縁灌頂は、凡そ50~60分位の大変厳かな儀式です。私は、高野山で金剛界と胎蔵界の儀式を受けました(両方の儀式を受けた方が良いと言われています)。高野山以外のお寺でも行っているところがあります。高野山では、春(5月)と秋(10月)に各数日間儀式が行われています。

 

 

儀式を受ける人達は15~20人位の人達がグループとなり、グループごとに式次第に従い順番に進んでいきます。そして、式の最後に、仏様と結縁を受ける人を目隠しし、曼荼羅の前に花を持たせて立たせ、曼荼羅に向かって花を投げさせます。その花が落ちた所の尊像をその人と有縁の仏様とするものです。

 

 

お大師様は、胎蔵界の儀式でも、金剛界の儀式でも「投げたお花が、大日如来様の上に落ちた」そうです。ですので、お大師様は大日如来様の弟子になられたのです。数いる仏様の中で大日如来様の弟子となっている仏様はお大師様だけだと思います。お大師様は、それだけ凄い仏様と言えます。

 

 

結縁灌頂は、「仏様と確実にご縁を結ぶことが出来る、大変厳かな儀式」です。無宗教の人や他の宗派の人やキリスト教などの仏教以外の人など、どんな方でも参加することが出来ます。結縁灌頂を受けたものは、「すべての人が、お大師様の弟子になった」ことになります。

 

 

お大師様のお話しでは、お大師様の弟子になった者は、「グレーという結果はなくなり、全てのものごとに関して白黒が明白になる」そうです。結縁灌頂を受ければ、今後はお大師様の弟子として「全ての行動に責任を持たなければいけない」ということにもなります。その代わり、お大師様が、絶えず見守ってくれます。大変良い儀式ですので、皆さんにもお奨めしたいと思います。出来れば、「胎蔵界と金剛界の両部の儀式」を受けられた方が良いようです。

 

 

お大師様とご縁を結んだあと、高野山の高僧たちが、それぞれの人にお大師様の真言を唱え、私達の頭頂に聖水(瓶水)を注いでくれ、一印一明を授けてくれます(灌頂)。潅頂とは、頭に水をかけて、悟りの位に進んだことを証する儀式の事です。

 

 

兎に角、結縁灌頂の最も良い事は「仏様(お大師様)と確実に縁が結ばれる事」です。