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2004年10月23日――今から21年前の夕方、新潟県中越地方を突然、地鳴りが襲った。



マグニチュード6.8、震度7。旧川口町(現・長岡市北部)を中心に家が倒れ、山が崩れ、道が消えた。山古志村は全村孤立。暗闇の中、助けを呼ぶ声と、余震に怯える人々の姿があった。


死者68人、負傷者は約4,800人。家を失った人は10万人を超え、体育館や車の中で寒い夜を過ごした。電気も水も止まり、道も閉ざされ、関越道も不通。あの時、地震の怖さだけでなく「生きることの重さ」を多くの人が痛感した。


それでも、人は立ち上がった。全国からボランティアが集まり、壊れた街に灯が戻った。山古志もやがて再生を果たす。

しかし、戻れなかった人もいる。震災をきっかけに他の町で暮らし始めた人、年を取り、もう山に戻れない人も。


あの日から21年。街は変わっても、あの揺れを覚えている人の心には、今も中越地震が生きている。忘れられない日、忘れてはいけない日だ