私は視力がいい。
あまりにもいろんなものが見えてしまうから
大事なものを見落としてしまう。
だから、
いろんなものを見ないようにした。
私と私のまわりのちょっとが見えるくらいがちょうどいい。


「針がとぶ  Goodbye Porkpie Hat」
残されたものから漂う淡い光。
そこにはいない誰かを思うとき、その光がしるべとなる。
今はもう聞くことができない、見ることができない。
それらから漂うほの暗い闇が

そこにはいない誰かの影をいっそう濃くしてゆくように感じた。

世界と世界の狭間を漂っているような感覚が

今もまだ続いている。