息を吐く
吸う吐く吸う吐く
その繰り返し。

ずっとは吐けないし、
ずっとは吸えない。

吐いたら吸う
その繰り返し。

吐いた息が少し残った空気を
また吸って吐く。
その繰り返し。

夜寝ているときも
何かに没頭しているときも
繰り返し、繰り返し。

病院の、酸素マスクの奥の祖父の呼吸。
息を吐く吸う吐く吸う
その繰り返しが
静かに重く私の意識に染みわたる。



「ことり」
小鳥の小父さんと呼ばれた人。
兄と小鳥と自分の生を淡々と全うした人。