感想編_スティーヴン・D・キング ”僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない”
イギリスの経済学者で作家の
スティーヴン・D・キング(Stephen・D・King)の著書
”僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない”
読み切りました
2024年第二四半期はじめに
気持ち良い報告ができました
知りたかったことが
すべて網羅されており
大満足な内容でした
イギリスの経済学者だけあって
つながりの深いイギリス・EU・米国の話が中心となっていました
(日本のバブル期のことも少し触れられています)
ネタバレにならない範囲で、、、
印象に残った内容としては以下。
①通貨(貨幣量)とインフレの関係性
(古代ローマ・WW1/WW2・1970年代(オイルショック時)・
日本のバブル期・コロナ禍・ロシア-ウクライナ戦争を例に挙げて
インフレの歴史を紐解きながらの分析し解説してくれていた点は
インフレメカニズムを理解するうえで大いに助けになりました)
➁1970年代の米国(物価117%上昇の世界)で個人のとれる最適な戦略の紹介と考察
③インフレ下の資産防衛のための6つの格言
④政府はほっておくとインフレの誘惑に負けてしまう
(大衆に迎合する政策は状況を悪化させ、国民生活・社会システムに大きな傷跡を残す結末になる)
⑤政府のインフレ容認=民間の富みを秘密裏に国家へと移転させる政策と同義
(個人のできることは避けられない惨事となるが、なんとか被害を最小化することのみ)
私はあまり
外国人の著者の日本語訳の本が
得意ではありません
その独特の言い回しや比喩が
なかなか頭にはいってこないことが多く
読むのに時間がかかり
なかなか引き込まれないからです
この本も前半部分は
内容が自分にとって難しい(なじみがない)ため
読む速度が全然上がりませんでした
が、じっくりと理解するよう読み進めた後、
1/3ほど進んだあたりから
著者の鋭い分析と
奥深い考察に引き込まれ
結果巻末の290ページまで一気に読み進んでしまいました
話しは少し変わって
日銀の予測(1月時点)によると
米・欧州のインフレ率の低下、原油価格等の下落から
今年後半~来年にかけて物価上昇率が
1%台まで下がり
徐々に落ち着きを
取り戻していく見込みだそうです
とはいっても
政府債務の状況を考えると
とれる金融政策も限られます
(引き締めは外圧や緊急性がないと、とてもできないでしょうし)
著書中に登場した交換方程式
MV=PT
の左辺は金融緩和状態が継続することで「一定」または「微減」とすると
右辺のT(取引量)は
日本において
高齢社会のよる需要減少かつ
労働人口減少による供給減少から
大幅に下がると想像します
結果、P(物価水準)が上がっていく
(または高水準が持続する)
と邪推してしまいます
そう考えると
やはり50年ぶりのインフレ世界の到来に備えて
自分なりの準備をしていこうと思います
世の中・日常生活がどうなっていくか
不安ではありますが
チャンスでもありますね
(インフレ対策は自己責任、自己判断でお願いします)