前回は、Propellerhead ReasonのAUDIO TRACKを見ました。

これ一つ理解できれば、「似て非なるもの」も理解できる。

 

これ兄弟のように似てる。いや、気分的に姉妹にしておこう。四姉妹。

 

上から、

MASTER SECTION

AUDIO TRACK

MIX Channel

Combinator

 

それぞれCombinatorパッチを利用でき、デバイスを内包できる。

画面を見ればわかるようにCombinatorのみ、やや構成が違う。

それはCombinatorの場合は音源としても設定できるので、ピッチベンドホイール、モジュレーションホイールがあり、プログラマー画面でキーとベロシティゾーンの設定ができるようになっている。

Combinatorでしか使えないCombinatorパッチは、MSTER SECTION、AUDIO TRACK、MIX Channelでは読み込めない。また、その判別はReasonがするので誤ったパッチを選択することはない。

 

一方、AUDIO TRACKとMIX Channelには、それぞれのチャンネルストリップに対応したフェーダーやパンなどが付いている。

 

MSTER SECTIONはAUDIO TRACKとMIX Channelに似ているが、よりシンプルな構成だ。

 

AUDIO TRACKの回でやったが、Combinator以外は、メインミキサーのストリップに対応している。

AUDIO TRACKとMIX Channelはそれぞれのチャンネルストリップに、MASTER SECTIONはMASTER SECTION Mixer Stripに。

一方、シーケンサー側では、

AUDIO TRACKの場合、トラックが自動的に作成されていた。

 

MIX Channelの場合は、基本的には音源及びCombinatorと一緒に追加した場合、

一つのグループとして、その音源及びCombinatorに対応するトラックが作成される。

 

Reasonには同じMIXチャンネルのグループという考え方があって、MIXチャンネルのシーケンサートラックを作成するのではなく、あるMIXチャンネルグループという枠組みの中で、音源にトラックが与えられるという形になっている。

 もちろん、エフェクトやユーティリティデバイスであってもオートメーションデータが必要なら、オートメーションのトラックを追加できる。

 

AUDIO TRACK

 対応するチャンネルストリップとシーケンサートラック

音源またはCombinator付きMIX Channel

 対応するチャンネルストリップと同じグループとして音源またはCombinatorのシーケンサートラック。

 

以上が基本で、

 

オートメーショントラックは、オートメーションが貼れるところなら、どこでも。

MASTER SECTIONにオートメーションを貼ろうとすれば、MASTER SECTIONのシーケンサートラックが作成されるし、音源のないMIXチャンネルでもMIX Channel自身のオートメーションを貼ろうとすれば、そのMIXチャンネルのシーケンサートラックが作成される。

 

シーケンサートラックが作成可能なパターンは、

音源デバイス、Combinator→ノート(自動)またはオートメーションのシーケンサートラック

その他のデバイス→オートメーションのシーケンサートラック

AUDIO TRACK→オーディオのシーケンサートラック(自動)またはオートメーションのシーケンサートラック

MASTER SECTION、MIX Channel→オートメーションのシーケンサートラック

どのMIX Channelグループにも属さないデバイス→ノート(音源デバイス、Combinatorのみ)またはオートメーションのシーケンサートラック

 

どのMIX Channelにも属さない音源・Combinatorデバイスを作成する意味は、通常ない。

なぜなら、基本的にReason 6以降、出力はメインミキサーを通して、HARDWARE INTERFACE(Reasonとオーディオインターフェースをつなぐもの)へ送られているからだ。

 

そのままの状態では、どのMIX Channelにも属さない音源・Combinatorデバイスの音を鳴らすことはできない。

レガシーReason時代のメインミキサーを通さないルーティングに手動で変更する必要がある。

 

 やる意味はないだろうけど、Mixer 14:2のMASTER OUTをHARDWARE INTERFECEのTO AUDIO OUTPUTの1/2チャンネルにつなげば、Mixer 14:2に集めたメインミキサーを介さない音を鳴らすことはできる。

 また、SPIDER AUDIOを使って、メインミキサーの音とどのMIX Channelにも属さない音源・Combinatorデバイスの音をマージして、HARDWARE INTERFECEに送ることも可能だろう。

 まあ、実験としては面白い。

 

 最後の例は別にして、これらの相関関係が理解できれば、メインミキサー、ラック、シーケンサーを行き来する上で迷子になることはないだろう。

 

例外的な存在がある。

EXTERNAL MIDI INSTRUMENT。外部MIDIインストゥルメントだ。

これは外部のMIDI機器をReasonからコントロールしようってものだ。

これの場合、MIDIノートのトラックがシーケンサーに追加されるが、

MIXチャンネルのグループやメインミキサーには影響を与えない。

 

どこで鳴るかはMIDI機器側の接続・設定に依存する。

ただし、オートメーショントラックは作成することができるし、シーケンサーデバイスでコントロールもできる。

また、オーディオインターフェース経由で、ReasonのAUDIO TRACKへレコーディングすることが可能だ。

オーディオファイルにしてしまえば、AUDIO TRACKでできることは可能だということだ。

 

以上が、Reasonのチャンネルとトラックの関係です。

 

【9.5対応改訂】VST プラグインを使った場合は、Reason デバイスやRack Extensionと同様の挙動になる。その対象は、VST プラグイン用のPlugin Rack Deviceで、VST プラグイン自体の操作は、プラグインウインドウ内で設定、また、Plugin Rack DeviceでCVを設定して操作する。