私の家は代々表千家の教授です。
祖母も母ももちろん教授。
そんな家に産まれた私は跡継ぎとして育てられました。
お茶室デビューは生後2週間だったそうで、記憶にあるかぎり沢山の御弟子さん達に可愛がってもらいました。
幼稚園から帰ったらお着物に着替えてお茶のお稽古。
幼稚園が少し離れた所にある私立だった事もありお友達と遊んだ事はありません。
母が車で送り迎えをしていました。
お稽古と言っても祖母の隣に座っての見稽古ですけど。
ちゃんと正座していなかったり、手遊びしていると火箸で打ち据えられていたのは覚えています。
あとはお運びですね。
「氷涙、あれ持っていらっしゃい。」
と、祖母に言われれば言われたものを運んでくる。
御水屋でも母屋でも自由に行き来できますから。
祖母の言う事は絶対でしたから。
「おばあちゃまの物は全部氷涙の物だからね。お母様が使った後は全部氷涙にいくんだから。」
ずっとそう言い聞かせられて育ちました。