過去の施策効果が強気相場けん引、HKEX
香港取引所(HKEX)の李小加(チャールズ・リー)最高経営責任者(CEO)は、香港株式市場で続く強気(ブル)相場について、「市場発展に向けて過去に取り組んできた施策の効果が徐々に現れてきたことによるものだ」と述べ、2007年と15年に訪れた活況とは性質が異なると分析した。25日付香港経済日報などが伝えた。
香港市場では今年に入ってからの17取引日の平均売買代金が1,545億HKドル(約2兆1,500億円)に達し、前年通年の平均を75%上回った。
李CEOは、今後の売買代金の推移について言及しなかったが、「現在の取引状況は、過去のブル相場時とは異なる」と表明。「18年はスタートの年であり、ターニングポイントの年でもある。昨年と今年の市場発展は過去の取り組みが開花し、われわれの努力によって実現したところが大きい。『香港直通車』(中国人個人投資家による香港株投資)構想が浮上したことを背景に、中国本土相場の過熱に連れ高した07年や、本土株急騰で楽観ムードが強まった15年のように、外部市場の好調さが単純に連鎖したものではない」と説明した。
中でも香港直通車の間接的な復活版とも位置付けられる、本土・香港間の株式相互取引が香港株を押し上げる最大の原動力になっているとの見方を示し、多くの優良銘柄を本土投資家が保有している点を指摘した。「本土と香港の両市場は密接に連動しているため、本土資金が一気に香港から引き揚げるリスクに関しては懸念していない」と付け加えた。
HKEXは今年、フィンテック(ITを融合した金融サービス)を活用するための「イノベーション実験室」を設置する計画だ。李CEOは実験室の役割として、◇既存業務の効率化・簡素化◇取引モデルの刷新◇新技術と新しい時代の流れの把握――の3領域での補助的効果を狙うと説明した。
李CEOはまた、議決権種類株式(1株当たりの議決権に差をつけた株式、別名デュアル・クラス・ストック)での上場解禁に当たり、ニューエコノミーやバイオテクノロジーに詳しい専門家をHKEXの上場部門に迎え入れる方向で検討していることを明らかにした。ニューエコノミー企業やバイオテクノロジー企業のIPO申請の適応性審査を想定して、これらの分野に関わる弁護士や会計士、投資銀行の専門家などを招く計画という。
議決権種類株式での上場時期については、「6月末から上場申請を受け付け、上場は最速で今秋になる」との見方を示した。
■来月から新株式売買システム
HKEXは来月5日、新しい株式売買システムを導入する。膨らみ続ける売買高に対応するため、インフラをアップグレードする。
新システムは、毎秒6万件の取引を処理できる。これは過去17年間にわたり使用してきた現在のシステム「AMS/3.8」の2倍のスピードだという。
益々便利になるHKEXに株式売買システム、今年の夏は香港🇭🇰市場は、ワンダフルな年になるかもしれません。
お年玉袋だけで、100種類有るそうです。