中国本土の速達・宅配便大手、圓通速逓(YTOエクスプレス)の喩渭蛟・最高経営責任者(CEO)は16日、香港に国際事業本部を開設する計画を明らかにした。同社は先に香港企業を子会社化しており、出資先の物流網を活用して国際業務を展開する狙い。17日付サウスチャイナ・モーニングポストなどが伝えた。
喩CEOは、「香港なくしては、本土企業がグローバル化を実現するのは困難だ」との見方を示した。
YTOは先ごろ、香港の運送会社、先達国際物流控股(オンタイム・ロジスティクス)の株式61.87%を取得すると発表。先達国際は世界17カ国・地域に事務所を持つ。喩CEOは、「先達国際の買収により、独自でネットワークを構築するよりもはるかに簡単に海外事業を拡大できる」とコメント。先達国際はYTOが近い将来に世界市場に参入するための唯一のプラットフォームになると述べた。
YTOは、中国の現代版シルクロード戦略「一帯一路」の沿線国・地域を中心に、2020年までに国際事業で本土最大の宅配会社になることを目指している。
明報によると、YTOは今年、香港で直営店30店を開設し、店舗数を42店まで増やす計画だ。
YTOには電子商取引(EC)中国最大手の阿里巴巴集団(浙江省杭州市、アリババ)が17%以上を出資している。