今日は、「香港のドルペッグ制」について、2回に分けてお伝えします。


米ドルペッグ制は
「金利ペッグ」にあらず

香港経済今月のポイント

①近年、香港ドルと米ドルの金利差に対する市場の敏感度が以前に比べて低下している。米連邦準備委員会(FRB)が2015年12月以降、2度の利上げを実施したが、金利差を利用した裁定取引のメカニズムはさほど機能せず、香港ドルの下落、さらには香港ドル金利の上昇につながっていない。

②香港ドルの対米ドルレートが交換保証の下限である1米ドル=7・85香港ドルに触れれば、香港金融管理局(HKMA)は香港ドル買い・米ドル売りの為替介入を実施し、民間銀行がHKMAに保有する決済性預金残高は減少する。但し、今年米国が3度の利上げを実施したとしても、年末の決済性預金残高は依然として高水準を維持し、翌日物の香港銀行間取引金利(HIBOR)はゼロに近い水準にとどまると予想される。

③巨額の決済性預金残高、ゼロに近い翌日物HIBORが香港の短期金利の上昇を抑え、年末まで1カ月物のHIBORの上昇幅は限定的で、0・85%を下回る水準で推移すると予想。1カ月物 HIBORが長期にわたり0・85%を下回る状況が続いた場合、これは香港の銀行が最優遇貸出金利(プライムレート)を引き上げる誘因にはなら得ない。

④FRBは3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラル・ファンド金利の誘導目標を0・25ポイント引き上げて0・75—1・00%にする見通しである。米ドルペッグ制を採用する香港では、銀行が米国の利上げに追随してプライムレートを引き上げるか否かに注目が集まる。

 

金利差に対する敏感度が低下

 香港は1983年から米ドルペッグ制を採用。HKMAの資料によると、香港の米ドルペッグ制はカレンシーボード制の一種で、香港ドルのマネタリーベースの変動は、米ドルの外貨準備の変動と一致しなければならないと規定されている。すなわち、香港ドルのマネタリーベースは相応の米ドルの裏付けがあり、香港ドルと米ドルのレートが連動する仕組みとなる。現在のカレンシーボード制のメカニズムは、香港ドルと米ドルが1米ドル=7・75~7・85香港ドルの間で交換が保証されているが、米ドルペッグ制自身が金利と直接的な関係があるわけではない。

 理論上、米ドル金利の上昇は、米ドルと香港ドルの金利差を拡大させ、裁定取引を促して香港ドル売り・米ドル買いが進む。香港ドル売りの増加は、香港ドルレートの下落を意味し、香港ドルの対米ドルレートが7・85香港ドルの下限に触れれば、HKMAは銀行から香港ドル買いを進めるため、決済性預金残高は減少。それに伴い、香港ドルの金利が上昇し、香港ドル需要が再び拡大して香港ドルが上昇。香港ドルの為替安定が維持される。反対に、米ドル金利の下落は、香港ドル買い・米ドル売りを促し、香港ドルの対米ドルレートが7・75香港ドルの上限に触れれば、HKMAは銀行に対して香港ドルを売り、決済性預金残高は増加。それに伴い、香港ドル金利は下落し、資金流入が抑えられる。

 しかしながら、近年、香港ドルと米ドルの金利差に対する市場の敏感度は以前に比べて低下している。FRBが2015年以降、2度の利上げを実施しても、金利差拡大による裁定取引のメカニズムはさほど機能せず、香港ドルの下落、そして香港ドル金利の上昇が促されない。足元で香港ドルの対米ドルレートは7・7670香港ドル付近で推移し、交換保証レートの7・75香港ドルに近い。1カ月物のHIBORは0・45%前後で、米ドルの1カ月物のLIBOR(0・85%)に比べ約0・4ポイント下回っている。香港ドル金利、特に短期のHIBORは決済性預金残高の影響を受けやすい。



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