韓国のサムスン電子の香港現地法人、三星電子香港は26日、香港で自社のスマートフォンを使った決済サービス「サムスンペイ」の試験導入を開始したと発表した。同様のサービスとしては米アップルの「アップルペイ」、グーグルの「アンドロイドペイ」に続く香港上陸。６月までに正式導入する。
サムスンペイはクレジットカード連動型のモバイル決済サービスで、最新機種の「ギャラクシーＳ８」と「ギャラクシーＳ８プラス」のほか、「ギャラクシーＳ６シリーズ」や「ギャラクシーＳ７シリーズ」、「ギャラクシーノート５」などで利用可能。
香港での導入に当たっては、米アメリカン・エキスプレス（アメックス）、マスターカード、ＶＩＳＡなど主要クレジットカード会社のほか、スタンダード・チャータード銀行やシティバンク、中国銀行（香港）、大新銀行、ＤＢＳ香港など域内外の金融機関と協力する。
まずはアメックス、スタンチャート、シティバンク、大新銀行のクレジットカードを持つサムスンユーザー限定で試験的にサービスを開始。第２四半期（４～６月）中に、中銀香港とＤＢＳ香港が発行するクレジットカードにもサービス範囲を広げ、正式導入とする。
サムスンペイではクレジットカードと連動したモバイル決済で主流の近距離無線通信（ＮＦＣ）に加え、既存のカードリーダーを利用できる磁気セキュリティー伝送（ＭＳＴ）方式を採用。いずれもスマホを端末にかざすだけで決済が完了するため、クレジットカード文化が浸透する香港での広い普及が見込まれている。
高い安全性も強みだ。サムスンペイではクレジットカード情報の保護を目的に別の番号を生成して利用する「トークナイゼーション」や生体認証技術、独自のセキュリティープラットフォーム「ノックス」を備え、安全性に優れた取引が実現できるという。
三星電子香港の趙依音・副総裁は、「安全かつ手軽で、広く受け入れられるモバイル決済サービスにしたい」と述べた。
サムスンペイは2015年８月にサービスを開始。これまでに世界12カ国・地域で導入しており、累計の取引件数は２億4,000万件余りに上る。
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