kan-haru blog 2012 万国博覧会での太陽の塔実物写真1970年7月撮影    

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ザ・タワー ~都市と塔のものがたり~(続)
・エピローグの展示コーナー
エピローグの「都市の塔」の東京スカイツリー(墨田区押上東京都墨田区押上)は、既存電波塔の東京タワー周辺では超高層建築物が林立し、その影となる部分に電波が届きにくくなる問題が発生し、今後の放送のワンセグやマルチメディア放送といった携帯機器向けの放送を快適に視聴できるようにすることを目的とされて、東武鉄道の本社隣接地の貨物駅跡地に建設された全高が634メートルで、塔本体屋上の高さが495mは世界一の電波塔であり、2012年2月29日に竣工しました。

 建設が進むスカイツリー2010年5月6日(:吾妻橋浅草側から見たスカイツリー、:墨田区役所附近から見たスカイツリー)

スカイツリーの建設は、東武鉄道の本社隣接地の貨物駅跡地に、2008年7月14日に着工し、ツリーに隣接する関連商業施設・オフィスビルの開発も行われ、ツリーを含めたこれらの開発街区を東京スカイツリータウンと称して、2012年5月22日に開業を予定しています。

 業平橋付近からみたスカイツリー2010年5月6日(写真拡大)

スカイツリーのタワーデザインは、3つのコンセプトを基にその1として、日本古来の建築「五重塔」の耐震構造システムを取り入れて、鉄筋コンクリート造の高さ375m直径約8mの円筒の心柱を取り付けて、地震などによる揺れを抑える心柱制震構造となっています。

 業平橋工事現場付近から見たスカイツリー2010年5月6日(中左中右写真拡大)

デザインのその2は、タワーの地面真上での水平方向の断面は正三角形であるが、高くなるほど丸みをおびた三角形と変形し、地上約320m上での断面は円となる構造が採られており、塔の構造体概観は日本の伝統美の日本刀に見られる「そり」や、寺社建築の屋根に見られる「むくり」の柔らかい曲線を採り入れています。

 妙見堂通り元大横川橋上から見たスカイツリー2010年6月15日(写真拡大)

デザインのその3は、「都市の塔」としてまちの活性化への起爆剤となるように、電波塔にはレストランやカフェ、ショップなどが設けられた高さ350mの第1展望台と、窓ガラスで覆われた空中回廊を設置した高さ450mの第2展望台が付けられます。

 桜橋付近から見たスカイツリー2010年7月1日(写真拡大)

スカイツリーの建設を振り返って見ると、2008年年末には地下50メートルに達する杭工事が終わり、2009年2月3日には3本の塔脚鉄骨の基礎工事の開始です。同年5月23日には塔脚の高さが49メートルとなり、同6月17日には塔高さが54メートルとなり地上50メートルで3本の脚の支えが連結されました。同8月20日には塔高105メートルとなり、同11月18日には塔高205メートル、年末の12月22日には高さが245メートルに達しました。
写真掲載の2010年5月6日には塔高368メートルとなり、塔の断面は遠景で第1展望台(350m)の外観が見られます。同7月1日には塔高398メートルとなり、同8月4日の写真の塔高は408メートルとなりました。
同9月11日には塔高461メートルとなり、第2展望台(450m)の工事が開始となり、同10月23日には塔本体屋上の高さ495mに達しました。年末の12月21日にはアンテナ部の工事となり塔高は514メートルに達し、第2展望台の姿が見られます。
年を越して2011年1月14日には塔高549メートルとなり、同3月29日には塔高634メートルに達しました。11、12月に入ると第1展望台の床から真下を眺めるため耐熱強化ガラスをはめ込んだり、LED照明点灯などが行われました。
2012年2月29日には、スカイツリーが完成して建設請負の大林組から、運営会社の東武タワースカイツリーに引き渡され、同3月2日に竣工式が行われました。

 押上駅付近から見たスカイツリー2010年8月4日(中左中右写真拡大)

太陽の塔 黄金の顔 常設展特集展示
特別展「ザ・タワー ~都市と塔のものがたり~」開催(記事その1~3参照)にあわせて、「太陽の塔 黄金の顔」特集展示が江戸東京博物館常設展示室の日本橋橋桁下で、東京で初公開展示されました。

 太陽の塔黄金の顔パンフレット

1970年(昭和45)に、大阪で開催された日本万国博覧会のテーマ館のシンボルとして太陽の塔が建造されました。日本を代表する芸術家の岡本太郎氏の制作によるもので、博覧会終了後も万博公園に残されました。

 万博公園の太陽の塔万博公園(独立行政法人日本万博博覧会記念機構)から

太陽の塔には、塔の頂部には金色に輝き未来を象徴する「黄金の顔」(直径11m)と、塔の正面には現在を象徴する「太陽の顔」と、塔の背面には過去を象徴するの「黒い太陽」という3つの顔を持っています。「太陽の塔」は過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーの象徴であると同時に、生命の中心、祭りの中心を示したもので、博覧会開催期間中、テーマ館の来館者に多くの感動を与えました。
展示表示の黄金の顔は、改修のため1992年に取り外した黄金の顔(独立行政法人日本万国博覧会記念機構所蔵)を展示したものです。

 太陽の搭の3つの顔(左:黄金の顔、中:太陽の顔、右:黒い太陽)万博公園(独立行政法人日本万博博覧会記念機構)から

黄金の顔の直径は11メートルあり、顏前面を見るには常設展示室の日本橋橋上の欄干から覗くように展示されており、横顏は橋の袂から覗いて見ました。橋下におりると、黄金の顔の厚みは高く、顔が置かれている橋下からでは顔面がのぞけませんでした。

 太陽の塔の未来を象徴する黄金の顔(:展示日本橋橋上より見た黄金の顔、:日本橋袂から見た黄金の顔、:橋の階下で見た黄金の顔側面)

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