
kan-haru blog 2011 システィーナホールの天井画と壁画
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第2日目
第2日目は、雨は降っていませんが前日より雲が厚くかかり、時々小雨に見舞われるような天気です。朝9時前に、ホテル本館1階のテラスカフェ「オーゲ」にてサンドイッチの朝食を済ませ、魚釣りに凝ってきた孫が釣堀で、あじを10匹ほど釣って、また今晩の酒の肴を収穫しました。
大塚国際美術館
2日目は大塚国際美術館の名画観賞がメインですが、大塚国際美術館の周囲の鳴門公園の周辺は見どころがいっぱいで、大鳴門橋架橋記念館、渦の道やエスカヒル鳴門などがあります。しかし、天気が思わしくないためあまり見晴らしが期待が出来ないので、美術館見学に4時間以上かかると云われていますので、鑑賞ルートが約4kmあるという大塚国際美術館の展示観賞に時間をかけて見ることとし、11時にルネッサンスリゾートナルト ホテルを出発しました。

大塚国際美術館地図
大塚国際美術館(徳島県鳴門市鳴門町鳴門公園内)は、大塚製薬グループが創立75周年記念事業として1998年(平成10年)に開館し、当時は延床面積29,412m²の日本最大の私立美術館です。休館日は、毎週月曜日と正月明けに連休があります。入館料は、一般が3,150円で、大学生が2,100円で、小・中・高生が520円です。

大塚国際美術館パンフレット[左]とチケット[右]
ホテルから北に進み、左に折れて大塚製薬の保養施設の潮騒荘の前にあり、国立鳴門公園にあるので美術館の建物は山の内部にに隠して建設されています。

大塚国際美術館建物は山の中
(左:大塚国際美術館前広場から見た潮騒荘、中:大塚国際美術館入口、右:美術館を入ると長いエスカレータで地下3階展示場へ)
美術館の展示は、古代壁画から世界25ヶ国の190余りの美術館が所蔵する現代絵画までの西洋名画の1,000余点を、オリジナル作品と同じ大きさで大塚オーミ陶業株式会社の技術により陶板に複製して作成された、「陶板名画」と同技術により原寸台に作成された聖堂の天井画や壁画が再現されて展示されています。展示作品は、原寸大の大きな陶板に寸分違わぬ忠実な姿に再現された「陶板名画」で、経年変化が無く千年経っても色あせない作品たちが屋外を含めて展示されています。したがって、展示作品は劣化が殆どないので、写真の撮影がフラッシュや三脚固定を除いて許可されています。
・地下3階展示場
エスカレータを上り地下3階展示場に入ると、古代遺跡や教会などの内部の壁画や天井画などを現物大の大きさそのままで立体的に再現した展示場で、臨場感を味わえる環境展示です。エスカレータの前はシスティーナホールで、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画「天地創造画ほか」と壁画「最後の審判」が間口20m、奥行き40mで高さが16mのホール一杯に展開されて描かれた陶板名画に圧倒されます。

システィーナ礼拝堂の天井画と壁画(左:システィーナホール、中:天井画、右:壁画)
システィーナホールの左隣には、北イタリアのバドヴァ市にあるスクロヴェーニ礼拝堂のジョットの壁画が展示されております。壁画は、間口が841cm、奥行きが2090cmで高さが1265cmもあり2番目に大きい環境展示で、ブルーの背景色の落ち着いた感じのする礼拝堂です。礼拝堂の左隣には、聖マルタン聖堂の環境展示で、フランスのパリから300kmほど南にある小さなノアン=ヴィック村に建っている聖堂です。

スクロヴェーニ礼拝堂と聖マルタン聖堂(左:スクロヴェーニ礼拝堂、中・右:聖マルタン聖堂)
聖ニコラオス・オルファノス聖堂は、ギリシアのテサロニキという街のビザンティン(東ローマ)帝国時代に建てられた聖堂で、テサロニキは紀元前315年にマケドニア王カサンドルが作った街です。
エル・グレコの部屋には、スペインのドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院に、円熟期のエル・グレコが制作した大祭壇衝立がありましたが、19世紀初頭のナポレオン戦争で破壊されました。大塚国際美術館では、エル・グレコのスペインのブラド美術館にある5点の作品と、ルーマニア国立美術館にある1点の作品により、大祭壇衝立を推定の原寸大の「陶板名画」で復元したもので、聖ニコラオス・オルファノス聖堂展示室の通路を挟んだ対面に展示してあります。

聖ニコラオス・オルファノス聖堂とエル・グレコの部屋(横長:聖ニコラオス・オルファノス聖堂、縦長左・中・右:エル・グレコの部屋)
「秘儀の間」の壁画はエル・グレコの部屋の裏に展示されており、イタリアのポンペイ遺跡で最も大きく保存状態の良い壁画であり、神秘的な壁画に描かれているのは、花嫁の入信式を描いたものと言われています。背景の朱色は、ポンペイアン・レッド(ポンペイの赤)と呼ばれています。紀元前70-50年の頃のもので、間口が494cm、奥行きが708cmで高さが474cmの環境展示です。
「貝殻のビーナスの家」は秘儀の間を左に曲がり突き当りに展示されており、イタリアのポンペイ遺跡の「貝殻のヴィーナスの家」の壁画で、西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火により消滅したポンペイから出土したもので、屋外に展示されています。
「鳥占い師の墓」は貝殻のビーナスの左隣に展示されており、周辺の古代都市群は04年、世界遺産(文化遺産)にも登録されイタリア・タルクィニアのモンテロッツィ墓地で、墓室を装飾するフレスコ画の数々は、古代ローマ以前の先住民族エトルリア人の文化である。実物は紀元前520年ごろの作とされる。

古代・中世の壁画(左:秘儀の間、中:貝殻のビーナスの家、右:鳥占い師の墓)
「聖テオドール聖堂」は地下3階展示場の最奥の展示室で、トルコでは「パンジャルルク・キリッセ」と呼ばれており、10世紀前半のトルコのアナトリア高原に位置する、カッパドキアにある岩窟修道院で世界遺産。間口が496.5 cm、奥行きが1135 cmで高さが411.5cmの環境展示です。

聖テオドール聖堂(左・中・右写真拡大)
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