kan-haru blog 2010  

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歌舞伎座から新橋演舞場へ
毎年母校では、歌舞伎観劇会の催しがあり、今年は歌舞伎座建て替えのため新橋演舞場での公演となり、9月12日に秀山祭九月大歌舞伎の夜の部を見てきました。
母校主催の歌舞伎鑑賞は今回が4回目で20062007年と続き、2008年は都合により観劇しませんでしたが、2009年には3回目の歌舞伎座最後の公演で、今年は初めての新橋演舞場での秀山祭九月大歌舞伎の観劇でした。

・さよなら歌舞伎座
121年の伝統と歴史を育んできた歌舞伎座は、建替え工事のため4月30日の「閉場式」をもって休館となりました。休館にあたり16ヶ月にわたり「歌舞伎座さよなら公演」が上演され、2009年の秀山祭は歌舞伎座さよなら公演九月大歌舞伎夜(「イベント 歌舞伎観劇 さよなら歌舞伎座九月大歌舞伎」2009年9月参照)でした。4月30日の歌舞伎座「閉場式」の日には、歌舞伎座周辺は別れを惜しむファンで一杯でした。

 閉場式当日の歌舞伎座前(左上中上右上左下中下右下0430写真拡大)

・新橋演舞場
京都や大阪には演舞場や歌舞練場があるのに東京にはないので、芸者屋森川家の発案で大新橋演舞場を建てようと(大正12年)に着工し、関東大震災に遭遇しましたが(大正14年)4月に開場しました。当初は、目的であった新橋芸者の技芸向上を披露する場として春秋二季に「東をどり」を主に公演しましたが、1940年(昭和15年)新橋演舞場は松竹株式会社と興行契約を結び、松竹が興行面を受け持って松竹傘下の主要劇場となり、歌舞伎、新派、新喜劇、新国劇、前進座の公演を興行していました。第2次世界大戦の戦災を受け焼失しましたが、1948年(昭和23年)に復興しましたが戦後の再建のため舞台機構や諸設備が新しい時代の要請に耐えられなくなり、1982年(昭和57年)に新装されたのが、日産自動車本社ビルと複合した現在の演舞場です。

 新橋演舞場
(写真拡大)

観劇会は、お弁当が付いてイヤホンガイドの使用料も割引で利用でき、座席は抽選で決まりますのでチケットが届くまで分からないのですが、前々回では中央最前列殆ど入手不可の特等席が当たり、また前回には9列1、2番の花道左手の席で連続して良い席で観劇することができました。

 新橋演舞場観客席(写真拡大)

今回は、新橋演舞場の初めての歌舞伎の観劇ですが、座席は花道側の左手の席で12列5、6番(新橋演舞場客席表)と連続して良い席に恵まれました。

 秀山祭チケット

秀山祭九月大歌舞伎
秀山祭九月大歌舞伎の夜の部は午後4時45分の開演ですが、昼の部が遅れて開演すれすれの入場です。演目は、最初が長唄囃子連中と梅玉と松緑役の「猩々(しょうじょう)」で、続いて吉右衛門の俊寛役と福助、染五郎、段四郎、歌昇、仁左衛門と充実した顔ぶれが揃った「俊寛」の一幕だが、既に一度鑑賞済の歌舞伎の名作の一つです。
3番目は、芝翫の清姫と、「うかれ坊主」が富十郎で、地唄舞「鐘ケ岬」です。最後が、染五郎の南与兵衛、孝太郎のお早、東蔵のお幸と松緑の長五郎による「引窓」です。

 秀山祭九月大歌舞演目

・猩々(しょうじょう)
謡曲の「猩々」を舞踊にして1874年(明治7年)に東京河原崎座で初演された、三世河竹新七の作詞、三世杵屋正次郎の作曲の舞踊です。猩々とは、中国で古くから伝わる霊獣で、水中に住み酒を好み、無邪気に舞い戯れる妖精のような霊獣と云われています。
舞台は、中国の揚子江のほとりで、孝行物(芝雀)が夢見ておつげ通り酒売りの店を出すと大繁盛します。いくら飲んでも顔色が変わらぬ客がおり、尋ねると猩々だと答えます。猩々に酒を勧められ舞う、舞踊一番の見どころの猩々舞の舞踊が楽しめます。やがて、猩々はいくら飲んでも尽きない酒壺を酒売りに与えて姿を消します。

 猩々

・俊寛
俊寛は近松門左衛門が著した浄瑠璃「平家女護島」の二段目にあたる作品で、1719年(享保4年)に大阪竹本座で初演され、その翌年に」歌舞伎に移入されました。
舞台は、絶海の孤島に流罪となった俊寛僧都(吉右衛門)、平判官康頼(歌昇)、丹波少将成経(染五郎)が流人生活に疲れ果てていますが、成経が島の海女の千鳥(福助)と夫婦となり、形ばかりの婚礼を執り行いました。
ある日、都から赦免船が到着して、丹左衛門尉基康(仁左衛門)、瀬尾太郎兼康(段四郎)が登場し、瀬尾が読み上げる赦免状には俊寛の名はない。俊寛は島に残る代わりに千鳥を乗船させて欲しいと懇願するが、聞き入れない瀬尾を切り付け討ち果たして、丹左衛門が千鳥の乗船を赦し船が沖へと遠ざかる。

 俊寛

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