kan-haru blog 2010 満開の緑地堤防桜並木の桜

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六郷橋緑地堤防桜並木
京急高架化沿線の花の第3回として高架橋南端の京浜急行六郷土手駅東方にある六郷橋緑地堤防桜並木を4月6日の花見日和に廻ってみました。

 六郷周辺地図

六郷橋緑地堤防桜並木へは六郷土手駅から東におよそ300m行くと、多摩川にかかる第一京浜国道の新六郷橋があります。その多摩川の左岸を羽田(東)方向に向かうと、六郷水門までの河川敷一帯が多摩川六郷橋緑地で、野球場、テニスコート、ゲートボール場やトラック状のサイクリングコースが整備された東京ドームの2倍以上の敷地面積(119,659㎡)を持った公園になっています。また、堤防の土手の上はサイクリングロードになっており、サイクリングロードの京浜急行線の西側方向上流の始点は多摩川丸子橋緑地の丸子橋からで、六郷橋緑地の下流方向の終点は羽田空港入り口の弁天橋までの全長約11kmに及んでいます。

 多摩川六郷橋緑地(:第1京浜国道新六郷橋、:多摩川左岸の六郷土手、:多摩川六郷橋緑地)

このサイクリングコースの新六郷橋から雑色ポンプ所の放流簗・吐口までの土手の幅員は一段と広くなっているので、自転車と歩行者が無理なく行き来ができます。六郷橋緑地堤防桜並木は雑色ポンプ場付近の土手の北側に並木があり、大田区の多摩川フォーラムが認定した桜の札所の1つです。

 六郷橋緑地堤防桜並木1(写真拡大)

桜並木は雑色ポンプ所から先もまだ続きますが、このあたりから引き返して次の目的の六郷神社に向かいます。絶好の花見日和で土手下の桜にはシートを敷いて、家族連れや仲間達が花見の団欒に興じていました。

 六郷橋緑地堤防桜並木2(:雑色ポンプ所で折り返して戻る、:土手の下で花見の宴、:帰路の緑地堤防桜並木)

六郷神社へ旧東海道を行く
桜並木から新六郷橋に戻ると第1京浜国道に並ぶ道路は、旧東海道の道筋です。その道筋を北に250mほど進むと六郷土手北詰めで、道端に旧東海道跡の石碑が建っています。

 旧東海道跡を北へと進む(:旧東海道の道筋、:旧東海道を北へと進む、:六郷土手北詰めに建つ旧東海道跡道標)

旧東海道の古い町並みを見ながら進むと、旧東海道と第1京浜国道とは一体となります。昔は東海道筋であった国道15号線の前は六郷神社の入り口で、1935年(昭和10年)に建立された鳥居があります。

 旧東海道沿いにあった六郷神社(:古い町並みの旧東海道を北へと進む、:六郷神社前で旧東海道と国道が一体となる、:六郷神社入り口は旧東海道と接していた)

・六郷神社
東海道筋にあった六郷神社(大田区東六郷3-10-18)には、境内を入るとすぐ左側に東海道跡の石碑が建っています。旧東海道側の入り口は脇参道で、参道には石灯篭や春日灯篭があり、拝殿へは突き当たりにある社務所前まで進むと境内に南北の表参道があります。

 六郷神社の本殿参拝路(:東海道跡の石碑、:六郷神社由緒板、:東海道入り口から本殿には社務所前に進む)

・由緒
六郷神社創建は古く由緒によると、1057年(天喜5年)に源頼義、義家の父子が、この地の大杉の梢に源氏の白旗をかかげて軍勢をつのり、その役に勝利をおさめたので、凱旋後、その分霊を勧請したのが創建と伝えられています。
源頼朝も奥州征定の1189年(文治5年)に、祖先の例にならい白旗を立てて戦いでの勝利を祈願し、1191年(建久2年)に梶原景時に命じて社殿を造営しました。 社宝となっている雌獅子頭(めじしがしら)と境内に残る手水石は、このとき頼朝が奉献し、神門前の太鼓橋は、景時が寄進したものといわれております。
徳川家康は1591年(天正19年)に、神領として十八石を寄進する朱印状を発給し、1600年(慶長5年)に六郷大橋の竣功を祈って願文を奉り、六郷神社の神輿をもって渡初式を行ったと史書にあり、八幡宮の巴紋と併せて葵紋を用いているゆえんとなっています。 
江戸時代には、東海道をへだてた西側の宝朱院(御幡山建長寺)が別当寺でしたが、明治維新により廃され、1872年(明治5年)に東京府郷社に列格し、1876年(明治9年)より六郷神社と称して今日に至っています。
ご祭神は、今から950年余の昔、京都石清水八幡宮の分霊をお祀りした神社で、一般に八幡様は応神天皇、神功皇后、比売大神の三柱の神様をお祀りしていましたが、その後六郷神社では応神天皇の一柱をお祀りするようになりました。

・境内散策
表参堂の北側には茅葺きの入母屋造りの拝殿を配し、拝殿の後ろに密着して建てられた江戸中期の神社建築の貴重な存在の本堂があります。拝殿の西側には年代の神楽殿があり、東側には新しく建てられた神輿庫があります。

 境内散策1(:六郷神社拝殿、:六郷神社神楽殿)

拝殿から表参道の南方を見ると手水舎と神門があり、参道東側には境内末社があり案内板に列挙された祭神には、天照大神、素盞嗚命、日本武尊、大物主命、布津主命、天太玉命、天児屋根命、宇迦御魂命とあります。

 境内散策2(:神門、:境内末社、:手水舎)

また、境内の前庭には、源頼朝が寄進した手水石が置いてあり、1685年(貞享2年)に六郷中町の有志が奉納した大田区内最古といわれるユーモラスな小さな狛犬が見られます。

 境内散策3(:源頼朝が寄進した手水石、:大田区内最古の狛犬) 

切り妻造りの総檜の神門の外側には鳥居があり、鳥居の先には梶原景時が奉納したといわれる太鼓橋の神橋があり、神社の正面の風格を現しています。

 境内散策4(:神門と鳥居、:六郷神社正門、:梶原景時が奉納した神橋)

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