
kan-haru blog 2009
< 総合INDEX へ
首都圏での紅葉観賞
首都圏では12月上旬に紅葉の季節が楽しめます。昨年の鎌倉の古寺の紅葉に続き、今年は12月2日に国指定名園の三渓園の内苑の紅葉を見てきました。
三渓園
三渓園は、東京湾を望む横浜の東南部・本牧に広がる広大な土地に、生糸貿易により財を成した実業家 原三溪の手により1902年(明治35年)から造成が始められ、1908年(明治41年)に外苑、1923年(大正12年)に内苑が完成し、1906年(明治39年)5月1日に公開されました。175,000m2に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物が巧みに配置されており、現在、重要文化財が10棟、横浜市指定有形文化財の3棟が建てられています。
大戦の戦災により大きな被害をうけ、1953年(昭和28年)、原家から横浜市に譲渡・寄贈されるのを機に、財団法人三溪園保勝会が設立され、復旧工事を実施しました。
1906年(明治39年)の開園は、外苑が公開され京都・燈明寺から移した三重塔を中心に林洞庵、横笛庵や鶴翔閣などの8棟の建造物が配されています。内苑は1958年(昭和58年)に公開され、江戸時代初期の紀州徳川家ゆかりの臨春閣の他、三渓が隠居所として建てた白雲邸など11棟の古建築物や記念館があります。

三渓園マップ
三渓園への入園
大森町から京浜急行で横浜駅を下車して、横浜駅東口1階バス乗り場2番から市営バスで11時7分発の急行バスを利用して、終点の本牧三渓園前に到着します。
三渓園の開園時間は9時から17時までで、休園日は12月29~31日となっており、入園料金は大人(中学生以上)500円、シニアが300円で、小学生が200円です。

パンフレットとチケット
・内苑
三渓園には、小学生の時代から何回も来ていますので、今回は紅葉見物を目的にして内苑の聴秋閣周辺のモミジとイチョウのある春草廬周辺を廻りました。当日は、雲一つ無い無風の快晴で温かく絶好の見物日和でしたので、ウイークデーにも関わらず相当な人出で三渓園までのバスも超満員でした。
正門で入園券を購入し、大池の周囲を廻り右手に1902年(明治35年)に建てた、広さが290坪の旧原家住宅の鶴翔閣を見て内苑の入り口へと向かいました。

三渓園正門から内苑へ(左:三渓園正門、中:大池と旧燈明寺三重塔、右:鶴翔閣)
晴天に映えた池周辺の木立ちが赤く色付いており、三渓記念館内の中庭の木々も赤色に染まっていました。三渓記念館は残念ながら展示代えのため展示室は閉室しておりましたが、記念館の北側通路のモミジは真っ赤に色付いており、大勢の見物者が記念写真を撮っていました。

記念館周辺の赤く色付く木々(左:池周辺の木も色付く、中:赤く染まる記念館中庭の木々、右:記念館北側通路のモミジ)
記念館の道を奥に進むと右手に、1649年(慶安2年)に紀州徳川家初代徳川頼宣が夏の別荘として建てた三屋の建物を、1917年(大正6年)に移築した臨春閣(重要文化財)が見え、内苑の中心へと進んできました。臨春閣の襖絵には、狩野探幽、狩野安信などによって描かれています。臨春閣の前縁から奥縁を覗いて見ると、裏庭のモミジが額縁に描いた絵の様です。

臨春閣(左:臨春閣玄関前の紅葉のウルシ、中:臨春閣の南側縁から北側縁外の裏庭を見る、右:三屋建ての臨春閣)
臨春閣の裏庭に廻ると、そこに植えられている前縁から見たモミジの木は見事に真っ赤な葉を映しだしていました。

臨春閣裏庭に真っ赤に色付くモミジ(左・中・右写真拡大)
臨春閣を右に曲がりせせらぎの坂道を登って行くと、モミジが自生した様な自然の低山に入り込んだ風情で、奥に建長寺の近くにあった1651年(慶安4年)に建築の天授院(重要文化財)があり、1916年(大正5年)に移築されました。

天授院付近の紅葉(左・中・右写真拡大)
天授院から戻りせせらぎを渡ると、三代将軍徳川家光により建てられたと伝えられる、1623年(元和9年)に建築の聴秋閣(重要文化財)があり、2階に小いさな部屋がある2層の楼閣建築です。

聴秋閣付近の紅葉(左・中・右写真拡大)
聴秋閣付近から三渓記念館へと戻る途中に、1591年(天正19年)建築した豊臣秀吉が母のために建てた寿塔を覆うための建物と云われる旧天瑞寺寿塔覆堂(重要文化財)があり、イチョウの古木がありますが、葉は全て落葉して周囲一帯に敷き詰められていました。
旧天瑞寺寿塔覆堂で、三渓園の紅葉の殆どを見ましたので、園内に3軒ある食事処の「雁ヶ音」で、混雑で大変と待たされてからの天麩羅そばを食して、紅葉をすっかり堪能し満足して帰路に着きました。

旧天瑞寺寿塔覆堂付近のイチョウ(左・中・右写真拡大)
< 総合INDEX へ
毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております(12月分掲Indexへ)
カテゴリー別Index 小さな旅総目次 へ
<前回 小さな旅 名栗温泉 紅葉の季節の昼の一時を山間の静かな日帰り温泉に浸り焼き魚を楽しむ へ
次回 小さな旅 龍馬と立会川 土佐藩山内家下屋敷のあった京急立会川駅周辺を歩き龍馬の足跡を追う(その1) へ