kan-haru blog 2008
 
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5月14日の午後、所属している東京都異業種交流会H11の見学会で、埼玉県春日部の地底に巨大な龍が横たわる伝説の、世界最大規模の洪水防御施設の首都圏外郭放水路のメカニズムを見てきました。
見学会の参加は7名で、JR平井駅と京橋「宝くじドリーム館」の2班に別れて車に分乗して13時に出発しました。当日の朝は、雨天模様で見学ができるか心配しましたが、午後は持ち直して14時過ぎには見学先の地底探検ミュージアム「龍Q館」に着きました。


龍Q館
古くから洪水で悩まされていた埼玉県、東京都が流域の中川と綾瀬川一帯を、浸水被害の解消のため平成5年3月から首都圏外郭放水路の建設が始まり、一部が完成した同14年6月から運用が始まり、同18年6月の完成時には200㎥/sの排水が可能で、江戸川に排水する首都圏外郭放水路庄和排水機場に、地底探検ミュージアム「龍Q館」(埼玉県春日部市上金崎720 地図参照)があります。

洪水防御施設の見学は、毎週火~金曜日の午前10時と午後14時30分の2回実施で予め申し込みをして、龍Q館2F(首都圏外郭放水路インフォメーション)の集合です。
龍Q館には、首都圏外郭放水路施設関連の資料が展示してあり、1階から2階への階段フロアーには工事中に地下25mの地層を切り取った地層タワーや、地域の歴史や文化、江戸川に暮す生きもの達の姿などが見られます。

 龍Q館2F展示室

・首都圏外郭放水路施設概要
見学の所要時間は1時間半で最初に、龍Q館の展示施設を利用して首都圏外郭放水路施設の概要説明を聞きます。先ずは、ビデオによる首都圏外郭放水路の事業内容を見てから、首都圏外郭放水路のメカニズムと、排水機場模型を使用して地下トンネルから流れ出た水をためるプールの調圧水槽とジェット機用のガスタービンエンジン(1万4千馬力)を改造したエンジン4台で回転させる排水ポンプの構造と仕組みなどの説明を聞き、隣室にある操作室を見ます。

 見学施設の概要説明

・首都圏外郭放水路排水機場の外観展望
首都圏外郭放水路施設を理解してから、龍Q館の屋上に上がり排水機場周辺を展望して排水する江戸川周辺の地形や、地底に構築されている調圧水槽の大きさと、調圧水槽に隣接して設けられている放水路の第1立抗の太さと、国道16号下の地下トンネルを切削した用済みのシールドマシンを加工して作った時計の直径などを見て、施設の巨大さを把握して実感します。

 龍Q館屋上からの展望(左写真:シールドマシンの時計と江戸川、右写真:調圧水槽の地上)

地下調圧水槽の見学
首都圏外郭放水路施設を説明や屋上からの展望で見た概要を把握してから、いよいよ調圧水槽の入口まで約200m歩いて、107段の階段を降りて「巨大神殿」の実物の見学です。

 調圧水槽見学の階段入口に向かう

階段の上り下りは危険なため写真の撮影は禁止されています。厚さが5mのコンクリートの天井を下ると調圧水槽が一望でき、まさに写真で見る神殿の威厳が漂い幻想の世界に迷い込みます。

 巨大な神殿を思わせる調圧水槽

調圧水槽の大きさは、長さが177m、幅が78m、高さが25.4mもあり、水槽を支える柱は長さが7m、幅が2m、高さが18mで59本もあります。映画やTVの絶好の撮影場所として人気の場所です。
調圧水槽の柱に、水位のマークが付けてあり、柱下部の水位線以下の場合にはポンプの羽位置より水位が下のため排水が行えず、柱の上部の水位線はここまで川からの地下河川トンネルからの流入した水を貯めて置くことが出来、首都圏外郭放水路全体の貯水量は67万㎥です。

 調圧水槽を支える巨大な柱

神殿の見学可能の範囲は、ポンプ設備は調圧水槽からは見えないので、柱位置が4本目位の所にマークがあり、それより奥には行くことが禁止されています。
水が貯留していない時には、調圧水槽の床に僅かな水溜まりがある程度で、床は河川流入水が運んでくる汚泥が全く無く綺麗な状況です。これには理由があり、普段の見学のため汚泥は清掃車で除去をしているのです。除去した汚泥は、調圧水槽の天井の一部に開口部があり、クレーンで揚げ降ろしをしているとの事でした。

 調圧水槽内に出し入れする開口入口

第1立抗
第1立抗は、階段を降りた調圧水槽に接した左手にあり、内径が31.6m、深さが71mで第2立抗との間を内径が10.6m、延長が1396m、深さが70mの第1工区トンネルで結ばれています。この立抗に通ずる斜面の前には石が並べられており、これより先には通行止めで、かつ清掃車の滑落防止の止め石です。

 放水路施設に5個ある立抗の中の第1立抗(ここから地下河川の水が調圧水槽に流入する)

見学を終えて地底体感ホールで、バーチャル映像を見てから2班に分かれて車で京橋に戻り、後からの参加者を含めて「うおや一丁銀座店」にて懇親会で喉を潤おして解散しました。施設に感激した見学会でした。

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