
その1記載の古民家のハケの上の農家の旧河内家住宅の南側には、立川段丘を模して小川を配しております。小川の対岸には、ハケ下の一般的な農家を復元した江戸時代後期に創建の旧越智家がありますが、プラネタリウム観覧の時間の都合もありそこには立ち寄らずに、島田薬舗の道沿いに戻り、並んで建てられてる町役場と昔の郵便局を見ました。
・旧府中町役場庁舎
府中町役場庁舎の建物は、1919年(大正8年)から3ヶ年かけて竣工した洋風の庁舎で、屋根の飾り天窓、正面玄関の屋根の車寄せ意匠、背後に接続する和風の付属舎が特徴であり、1987年(昭和62年)2月に東京都指定有形文化財となり、大正時代の建物としての第1号です。

正面玄関(写真拡大) 役場庁舎内部(写真拡大) (写真拡大)
・旧矢島家住宅(旧府中郵便取扱所)
矢島家住宅の建築年代は、幕末から明治の初めまでの間と推定されております。日本の郵便規則は、1871年(明治4年)に制定され、府中では当時府中番場宿の名主兼問屋の矢島九兵衛が郵便取扱役に任命され、居宅に窓口を設けるなどの改築し、急遽郵便取扱所として開設しました。

矢島家住宅(写真拡大) 郵便取扱所(写真拡大) 矢島家裏側(写真拡大)

昔の郵便局(写真拡大) 郵便箱(写真拡大) (写真拡大)
梅園での野点と大道芸
昔の郵便局を見てから、園内を西に進むと旧町役場脇の梅園で、府中市茶道連盟の方による野点茶会が催されており、その脇を抜け長屋門前の広場では、大道芸人が見物人を集めて芸を演じておりました。
江戸時代後期に旧是政村の村役人を勤めた家柄の三岡家の長屋門は、中央部を門とし、その両側に部屋を総塗込め蔵造りとし、置き屋根形式を採用している点で類例の少ない長屋門で、平成7年3月に東京都指定有形文化財となりました。
長屋門を潜ると、右側にふるさと体験館があり、昔遊びコーナーで昔懐かしい遊びを無料体験できます。
梅園での観梅と花見
長屋門の南側の川を模したやすらぎの池があり、そこから多摩川までの広範な一帯が梅園であり、60種の1100本の梅も開花前の木もありますが、今年の暖冬で各種の梅も花を付け始めて、中には見頃の梅もあり開花したばかりの梅の香があたり一面に満たされておりました。

5分咲きの梅(写真拡大) 7分咲きの紅梅(写真拡大) 蕾が膨らむ枝垂れ梅(写真拡大)
梅園の南端の多摩川縁の「ロウバイの小路」には、中央部が紫色のロウバイ、花全体が黄色いソシンロウバイ、花が大きく鮮やかな黄色のマンゲツロウバイの68本が、花を付けて4分咲きで開いておりました。
また、梅園には冬枯れの空に黄色の花も見られ、マンサクや福寿草、クロッカスなどの草花も春を待ちわびて可憐な花びらを見せております。

4分咲きの蝋梅(写真拡大) 可憐な福寿草(写真拡大) 可愛いクロッカス(写真拡大)
園内の風景
寒梅で人が出ている梅園を西から東へと歩きますと、桜の林があり野外ステージの或る芝生公園があり、暖冬で水がぬるむ「水あそびの池」で子どもたちが遊んでおりました。
昼時には、園内でお蕎麦でもと考えておりましたが、旧田中家のうどん店やふるさと体験館際のラーメン屋もやすらぎ亭での軽食店の何れも満員のため、昼食にはありつけませんでした。
そろそろ、プラネタリウム観覧の時間が近ずいてきましたので、博物館本館に向かう途中には、芝生公園に撮影会のためモデルが集合しており、博物館前の道添えに梅の盆栽が展示してありました。

博物館
博物館脇では、太陽観望会が開かれており、天体望遠鏡で太陽黒点などの観察を行っており、行列を作って観測しておりました。
プラネタリウムは、直径が23mの平面床ドーム300席の日本での最大級のもので、12,000個の星や惑星、多彩な映像群が生の解説のもとで写しだされ、投影機は地元の株式会社五藤光学研究所(府中市矢崎町4-16 地図参照)製の「GL-AT, ASTROVISION70 70-10P」機です。
アストロビジョンは五藤光学研究所が世界で初めて開発したワンレンズ投影式全天周映画で、映像は客席の全体を天まで覆い、まるで映像空間に包まれたようにリアルな感覚が楽しめます。
14時上演のプラネタリウムの番組は、3月11日までは、「温泉発!~太陽系火山めぐり~のタイトルで、満天の星空のもと温泉を楽しんでいたはっつあん。そこへ怪しげな地質学者が現れ、温泉&火山談義に花を咲かせます。話題はとうとう太陽系のさまざまな星にある火山へと広がっていくというもので、約1時間の上演でした。
プラネタリウム鑑賞後、博物館の常設展示の見物を取りやめて、15時13分発の分倍河原駅行きの京王路線バスにのり、分倍河原駅を臨時停車する準特急で新宿に出て、やっと遅い昼食にありつけました。
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