生きる先日の雪も解け まばらな枯草の中を横切る影… ま、まさか… とん平 そっと、牛乳を出すと ゆっくりと戻って来るのは 痩せ衰えた姿 かつての荒々しさはなくなり 好々爺の表情になっているものの 鈍い光を放つその目つき… 間違いない… 「とん平 い、生きていたのか」 「おぅ。。。 どうにかくたばらずにここまで来た 生きづらい世の中になったがな」 「姿を消してから1年近くも いったいどこで。。。」 「オヤジ… 諦めなければ己の身一つくらいはどうにかなるものよ」