6CA7超三結version2プッシュプルアンプについて、前から気になっていることがありました。

出力段のプレート電圧が高く、真空管のプレート損失の最大定格を守るためにプレート電流は低く設定せざるを得ませんでした。

 

以下は、本アンプの出力段に6550を使用した時の例ですが、動作点がプレート電圧430V、プレート電流75mAです。(図中の赤点)この特性図の中の隅っこで窮屈に動作させているように見えて、最適ところを動作点に設定できればもっと最大出力が上がるのではないかと考えました。

 

 

動作点として最適なところは、この図でいうところの青い点、すなわちプレート電圧280V~300V、プレート電流100mA程度のところに思えます。

電源トランスの制約もあり、この動作点で動作させるには電源トランスを変更するしかないかと思いましたが、ダメもとでチョークインプットによって動作させることができるか試してみました。

 

回路図は以下の通りです。

 

 

試作して試したところ、プレート電圧は280V程度まで下がり、プレート電流は100mA程度まで増やしてみました。

しかし、そこから更にプレート電流を増やそうとしてもB電圧が下がってしまいます。電源トランスの限界でしょうか。

出力段の負荷は10kΩとなるよう、2次側の4Ω端子に8Ω負荷を接続していましたが、変更後の動作点では出力が減ってしまい、出力段の負荷を5kΩに変更しました。

 

この状態で動作させてみました。チョークインプットにしたことでチョークが鳴くかと思いましたがそれはなく、しかしチョークコイルを触ってみると若干振動しているようでした。

結果として特に出力電力が上がるわけでもなく、チョークインプットの弊害か、リップル除去がしきれないようで若干ハムノイズが乗り、良いことがありませんでした。

 

そのため、以下回路図にあるように、ほぼ元の状態に戻しました。

本件は以上の失敗の備忘録として記載しました。