コロナで自宅勤務が増えたこともあり、仕事の合間にFM放送を聞く機会が増えました。自宅にはFMアンテナは立てていませんでしたが、UHFとBS/CSアンテナしかつながっていないはずのTVのアンテナ端子にチューナーを接続するとなぜか受信できるため、それで聞いていました。

 

チューナーは10年前にハードオフで入手したKENWOOD KT-880Fを使っていましたが、高校時代に欲しかったが入手できなかったKENWOODの高級機種(KT-3030)のジャンク品を最近ヤフオクで入手し、これを修理して聞くようになりました。このチューナーは非常に音質が良いですが、受信電波の品質のせいか、特定の放送局で音割れが生じたり(マルチパス?)、全体的にノイズレベルが高かったりするなど、不満がありました。

 

一方で屋根上にFMアンテナを増設する判断はできませんでした。自宅は一軒家ですが、屋根上に自分で登れる状況ではなく、さりとて業者に頼むにも、どの程度の素子数のアンテナを立ててよいかもわからず、工賃だけでも数万円は想定され、仕事の合間に聞き流すFM放送の受信のためにかける費用としては妥当とは思えません。

最近では光ファイバー経由、もしくはCATV経由という手段もあるようですが、ランニングコストを考えると妥当とは思えません。

 

そんなときに、我が家(横浜)の北東方面にはベランダがあり、スカイツリーや東京タワー方面に、アンテナケーブルの宅内への引き込みの目途が立つ場所があることに気づきました。そこにFMアンテナを自分で立ててみたくなりましたが、ベランダ設置では多素子のアンテナは立てられないため、2素子でどの程度の受信が可能なのか実験することにしました。

 

ハードオフでジャンク品として売られていた300Ωのフィーダーケーブルを買ってきて、自宅にあった園芸用の緑色のポールを使ってZLスペシャルアンテナを自作して、KT-3030のレベルメーターを見ながらどの程度の受信レベルになるか実験してみました。こんなみすぼらしいものでも、受信レベルは良く、従来より受信状態が改善する事がわかりました。

この結果から、位相差給電型のトンボアンテナを購入して自分でFMアンテナを立てました。宅内へのケーブル引き込み長と、宅内での分配数が多い事からブースターも必要になりましたが、受信状況は大きく改善しました。全体で2万円でお釣りが来る程度の費用でした。

スカイツリーと東京タワーはほぼ自宅から同一方向になるため、ここから受信する放送局は

大丈夫かと思いましたが、NHK東京 82.5MHzだけは良くありません。NHK横浜 81.9MHzの送信塔のある円海山は、自宅から見ると、スカイツリーや東京タワーの方角からみて右側90度の方角となり、82.5MHzよりは受信状況は良いですが、FM放送特有のホワイトノイズが少し気になります。

FM横浜の送信塔のある大山は、円海山ほどは方角は悪くなく、まずまずの受信状態ですので、NHKのためだけに円海山にアンテナを向けるわけにもいかず、NHKは妥協することにしました。


どうしてもNHKを聞きたいときは円海山にアンテナを向ければよいですが、エアチェックするわけでもないのでそういう機会も無いかと思います。

 

しかし、FM放送の音は、Radikoで聴くのとは異なり、何とも言えない昭和な雰囲気がして懐かしいものです。