彼はそれから、少し難しい顔をしたのね。
キキはそんな彼の顔を見て、前の彼に怒鳴られたこと、殴られたことを思い出した。
男の人が難しい顔をすると、「あ、殴られる。」ってつい思ってしまう。
完全にトラウマだね

キキはいつも、彼と真面目な話をする時には、バカ正直に心のすべてを話す。
それでダメなら、ダメになってもいいの。
そのへん、変な割り切りがある。
で、その後なんだけど・・・彼は「キキが嫌な気持ちにならないようには、どうしたらいいんだろ?」って考えてくれてたみたい

できるだけ、キキの気持ちに近づこうとしてくれているのがわかった。
キキは「休みの時に、全く連絡がないと、私の事は忘れて、家族と楽しくすごしてるんだろうなぁって思うし、仕事で家を出た時しか、キキを相手してくれてない気がする。」って彼に伝えた。
彼は「そんなことない



」って。
キキ「だってこの前、嫁の前ではキキのすべてを消すって言ったやん。だから、家では全部消されて、全く頭にもないんだろうなって考えると悲しくなる。」
彼「違う、違う。嫁の前では確かにキキの全部消すよ。けど、心の中では全然忘れてない。」
キキ「うしくんはさ、丸一日連絡なしとかされたことないから、その寂しさがわからんのよ。」
彼「そうやね

」
キキ「だって、キキは日曜日しか休みがなくて、平日はうしくんのトコに会いに行くでしょ。電話やメールだって、今まで普通に返せたし、私は呼ばれたら出て行けたから、返事がない、寂しい気持ちはわからないよね。」
彼「そうかもしれない

」
キキ「じゃ、これから一週間くらい、連絡とれるのに、全く連絡とらない様にしてみよっか?そしたら、わかるんじゃない?」
彼「いや、やめとく。そんなことしなくていい



」
・・・ってやり取りがあったのね。
キキもわかってた。そんなことしても無意味だって事。
けどね、今まである意味彼は自分の思うままになってきたわけよ。
少しでもいいから、キキから逢いたいって一言が言えない気持ち、キキから電話ができない気持ち、キキの方が休みが少なくて、耐えなければいけない日が多いということを、わかってほしかった

仕事で家を出たら、愛人を大事にするなんて、誰にだってできること。
「今日、嫁さんずっと一緒にいたからさ。」なんて理由並べて、連絡できなかったアピールするのも誰にだってできる。
キキは、二人をそんな事ですませたくなかったの。
・・・って、これは私だけの考えかもしれないけどね。
彼は私の話の一つ一つに返事をくれ、納得して聞いてくれてた。
そして、彼はいつものように、キキの手をぎゅーっと握ってくれ、私の顔を見て笑ってくれた

いつも変わらずのその笑顔を見ると、『どうにかしてやりたい

という彼』と『何も変わってないいつもの彼』がいた気がして嬉しかった
